乳腺外科の手術で入院する、その1年くらい前、M先生に会った。
「ふゆうさん、ちょっとふっくらした?」
って聞いてくれた。
あまりにも急に聞かれたので、一瞬答えに詰まったけれど。
「ごめん。そんなことない(笑)?」
「いえ、太ったよ! 8キロくらい」
介護と仕事に追われて、167センチの身長に44キロしかなくなった自分は、いくらなんでも痩せすぎだった。
その後、半年かけて52キロまで回復したのだから、顔つきだって変わる。
「今の顔の方がえぇわ」
「ホンマ?」
「うん。あんまり痩せてたら、老けて見えるやろ。今のほうが若く見えるし、いい顔や」
「ありがとうございます(^O^)/」
その1年後、思いがけず入院というかたちでM先生と再会することになった。
喜んでいたらハント症候群になって、自分で顔の動きを見ては「うわぁ」ってなった。
その後も、つらいことやしんどいことがあったけれど、少なくともM先生に「今のほうがいい」って言ってもらえたときの自分の顔より、もっといい顔をしていたいな、という思いが自分の心に生まれた。自分の顔は自分では見られないので想像するしかないんだけれど。
食欲がなかったり、疲れで顔がむくんでいたり、色々なことがあるけれど
「自分の顔に責任をもたないといけない」
「自分は今、いい表情を作れているだろうか?」
「人を気持ち良くする表情ができているだろうか?」
と考えられるように、なった気がする。
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