手術してもらった乳房が痛む。
それはたいてい、小さな痛みから始まる。ちょうど擦り傷ができたときのようなぴりぴりとした痛みが、乳房の奥深くに生まれ、数秒だけ痛む。
やがて痛みは断続的になり、乳腺がめりめりと音を立てているかのような、皮膚がこのまま割けるのではないかというような、そんな痛みに変わっていく。
痛み止めを飲むタイミングが悪かったのか、痛みに耐えるうちに冷や汗が出て、吐き気をおぼえるようになる。
それでも、朝が来る。
痛みに耐えぬいたからといって、何の得があるわけじゃない朝。
疲労感と吐き気に疲れ切って迎える朝。
自分のすごい顔色と顔つきに、なんだか笑ってしまう。
そして、やっぱり痛い乳房に、
「それでも、朝は来るんやなぁ」
と話しかける。
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