はるか昔、私の心に癒えることのない傷を残した人がいた。
その人から連絡があるだけで、恐怖に震える日々が続いた。
ただ、時間が経った今、その人の行動を振り返ると、
「その人はその人で、なんとか謝ろう・事態を打開しようとしていたのだ」
ということが分かる。
たとえば
「時間を置く」
「1対1ではなく、数名で集まる機会を作る」
「その人自身の行為を振り返り、いけなかった点を具体的に挙げる」
「謝罪の言葉を手紙や電話で伝える」
……
これらの謝罪が、「充分であったか?」「タイミングが本当に良かったのか?」というのは別の話。
また、そういう「テクニック」を使えば何とかなるという思いが残っているのは、まだ反省が足りていないからだ、という考えもあるかもしれない。
今の私に言えることは「もう許そう」ということ。
もう、自分の心の傷が癒えることは、期待しないほうがいいと思う。
こういうものだと思い、割り切って症状を抑えていくしかないだろう。
その上に、その人への恨みつらみも抱えるのは、私自身がしんどいから。
年月が経てば、その人自身も変わっているだろうし、変わったその人が自分の行為を振り返って、何か思うこともあるだろう。
その人が、もう変わっているなら、今になって私の思いをぶつけても、何も生まれないとも思う。
また、同じことをされたとしても、
「どの程度、傷つくのか?」
「どのくらい経てば、傷が癒えるのか?」
「何らかの症状が出てしまっていて、その傷とは関係のないところまで、影響が出てしまうのか?」
そういうことは、人によって違う。
傷が癒えない、という事態を招いたことには、私の側の素因も関係があるだろうから、もう許そう。
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