ちょうど、メニエール病が再発した時期のこと。
その頃は、耳鼻科のY先生の予約があっても、私としては心身の調子も、自分の人生も「どうでもよい」という心境になってた。
「診察に何時間もかかるわけじゃない。Y先生と話す数分間だけ、うまくやればいい」
と思うことで、なんとか自分の心身を奮い立たせ、玄関のドアを開けている状態だった。
今思えば、無理やりにでも外出し、作り笑いであっても笑うことに、ちゃんと意味があったのだという気がする。
そして、Y先生はいつも、
「調子、悪かったんじゃない?」
「悪かったら、言ってくれていいんやで?」
って言ってくれはった。
ひねくれ者の私は、思わず
「いえ、そんなにひどくはありません」
「1度か2度、めまいがしただけです」
って答えてしまっていたけれど、
「私はそんなにつらくない」
と、自分で言えたことに、ちゃんと意味があったように思う。
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