今日も巻く。

何年も前の夏だったと思う。
M先生に、
「乳房から出血したりするから、Tシャツやシーツをしょっちゅう洗わんといけない」
って話した。

「サラシでも巻いたら？　洗うのも大変やし、衛生面でも心配やし、安いサラシ買って、使い捨てていったらどうやろう？」
と言ってくれた。

その後、サラシとかタオルをきつめに胸や胴に巻きつけておけば、乳房が動かないから痛みも少ないって気付いた。ちょっと息苦しいけど。

そして、今日も私はタオルを巻く。

( ..)φ_手術してもらった乳房

手術してもらった乳房が痛む。

それはたいてい、小さな痛みから始まる。ちょうど擦り傷ができたときのようなぴりぴりとした痛みが、乳房の奥深くに生まれ、数秒だけ痛む。
やがて痛みは断続的になり、乳腺がめりめりと音を立てているかのような、皮膚がこのまま割けるのではないかというような、そんな痛みに変わっていく。

痛み止めを飲むタイミングが悪かったのか、痛みに耐えるうちに冷や汗が出て、吐き気をおぼえるようになる。

それでも、朝が来る。
痛みに耐えぬいたからといって、何の得があるわけじゃない朝。
疲労感と吐き気に疲れ切って迎える朝。

自分のすごい顔色と顔つきに、なんだか笑ってしまう。
そして、やっぱり痛い乳房に、
「それでも、朝は来るんやなぁ」
と話しかける。

( ..)φ

今日は指が震えて、冷たい。
何を恐れているのかわからないけれど、ひどい気持ちになる。

明日もこんなんなのかな？
いや、そんなことは、ないよ。ないといいな。

ひどい気持ち

このところ、とてもひどい気持ちになりやすいこと、自分をひどく罵ってしまう傾向があることは、自覚している。

この前、S先生に少し話すことができたけれど、聞かされたS先生は災難だったと思う。

そういう気持ちも含めて、自分の胸の中におさめられたらいいのに。
それか、M先生がかつておっしゃったように、もっと前の段階で口に出せるようになればいいのに。

相談相手がいない

いったい誰に相談すればいいか、わからない。

Aさんは？　忙しいからダメだ。
Bさんは？　相談内容に近すぎる立場だからダメだ。
Cさんは？　妊娠中だから遠慮したほうが。。。
……。

自分で考えるしかないのだろうな。。。

ーーーーー
なぜ、あのとき「退く」ことをしなかったのか？
「きっと、自分にもできることがある」となぜ思ってしまったのか？

判断を先送りにした責任を、これから自分はとれるのだろうか？