先日、初めて海の上へ出た。
「『海には道がない』とはどういうことか?」
を、身体で感じることができた。
たとえ、目的地を定めない旅であっても、道が整備されている場合は、
「自分の足元だけを見て進んでいても、どこかに向かって進むことができる」
ということになる。
しかし、海では自分で「遠方にある目標物」を決めなければ、どこへ進んでいいか全く分からない。
360度、どこへでも船首を向けることができる中で、目標物を定めずにとりあえず進むというのが、どれだけ恐ろしいことか。
青い海の中で、その点には恐怖を覚えた。
人間が学生である間は、ある程度の道が整備されていて、どの道を選ぶのかという世界に生きている。
でも、社会に出たら、そして特にフリーランスという立場を選んでしまったら、ふとしたきっかけで目標物を見失ってしまった操縦士のような気分になる。
今、仕事に関しての不安や悩みについて考えると、海の上で立ち位置を見失い、呆然となった自分の姿を思い出す。
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