外科のS先生のところへ行った。
「調子はどうですか?」
「あの、血がいっぱい出て」
「・・・吐血?」
「乳房から」
「あ・・・。久々やなぁ。どっちかな?」
「右です。それで皮膚が裂けてるように思ったんです」
「なんでそう思ったの?」
「鮮血で、さらさらした感じだったのと、両手もこんな風に荒れているし」
「あぁ、皮膚全体が荒れてるから、という風に思った?」
「それで、あの、画像があります」
「えぇ?」
「服の撮影をしておいたんです」
「なるほど。あぁ、こういう風に・・・。これは乳管から沁み出した感じではないね」
「はい」
「時間的には、どのくらいでこうなったかな?」
「一晩ですね」
「なんか、皮膚が傷つくような行為をしたという記憶は、ある?」
「乳房自体になんかしたっていうのはないけど、皮膚が全体的に痒かったんで、寝てる間とかは掻いたかも・・・」
「ちょっとチェックさしてもらうわ」
「触診、久しぶり」
「できれば、分泌物を細胞診に出したいねんけど」
「そこまで、必要あるんですか? 皮膚炎じゃないの?」
「・・・出血がどこからだったか? といえば、皮膚の可能性が高いと思う。乳管から沁み出したのではなくてね」
「はい」
「ただ、お腹とか背中とかも、皮膚は広がってるわけやん?」
「はい」
「なんで、乳頭の部分が荒れたのかというのは、チェックしたいと思う」
「そうですか」
「ごめん、今日は、採取できないね」
「すみません」
「次回の予約を入れておくけど、できれば細胞診に出したいんで、血じゃなくても、分泌物とかが採取できる状態で、来てほしいねん」
「はい」
「それと、チェックしてほしいのはね・・・」
図を描きながら。
「一ヶ所からだけ血が出てきたのか? あるいは、何ヶ所もから出血したのか?」
「はい」
「できれば、乳頭といっても、どの場所だったのか?」
「はい」
「鮮血だったか、にごったような、とろっとした血液だったか?」
「はい」
「思うねんけど、この画像って『犯罪の現場に落ちてました』みたいやな」
「はははは。血液もついてるし(笑)。あの、このTシャツが、すごい恥ずかしかって・・・」
「ぱっと見たとき、ハレーションを起こして、黒っぽく写ってる部分があるんかな? と思ってんけど」
「はい」
「Tシャツに『どや』って書いてるんや(笑)」
「そうなんです(笑)」
「この近辺の日付で、変わったことは他になかった?」
「口の中が血豆だらけになった日がある」
「いつ?」
「乳房の出血した日の前日」
「それは、口の中、噛んでんねん(笑)」
「うん。串カツ食べててん」
「串カツ・・・のせいじゃないと思うけど・・・」
「串カツって、口の中、あたりやすいやん」
「あぁ、そういう意味か」
「まぁ、全体としては、平和な日々だったんや」
「そうですね。ありがとうございます」
「では、薬はいつもどおり出すけど、くれぐれも、何か出血とかあったら、採取できる状態で来て」
「はい」
今日も、ガスター、サイトテックをいただいて帰宅する。ありがとうございました。ぺこり。
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