外科のS先生のところへ行った。
「おはようございます」
「はい、おはよう。この前はごめんな」
「いえ、とんでもないです」
「あの、◇◇先生のこと愛してる?」
「◇◇先生とは、そんな深い付き合いと違うかったから、その段階で惚れたの何だの言ってたら、まるで俺が◇◇先生に一目惚れしたみたいやん」
「え? じゃあ、初めからM先生が好きやった私は……」
「一目惚れやったやろ(笑)」
「そ、そ、そ、そうかな?」
「そうやろ(笑)」
「C先生に」
「うん」
「入院中、いかにM先生をストーカーしてたかを聞いていただきました」
「そうらしいな。C先生、びっくりしてはったわ」
「あの、Z先生のことは愛してる?」
「うん」
「あ、愛してるんや」
「うん、愛すべき先生やな」
乳房の話、胃腸の話、他の先生の治療についての話をした。
「あの」
「何?」
「あのね、本音を言うと」
「うん」
「もう、十分なことをしてもらったような気がします」
「十分」
「十分なことをしてもらった上で、可能性が潰れるのは、私の側にそういう素因があるとも言えるし」
「37歳という年齢からすれば、まだ時間をかけてもいいと思うけどな」
「まぁ、そうかもしれないけど。でも『健康な人が37歳になって、病気になった』という場合やったら、そうかもしれない。逆に言えば、健康やった人が、病気になりだす年齢やと思うし。そう考えると、私よりもっと将来のある若い人とか、何か希望とか夢のある人が、医療を受けるほうがいいんじゃ……」
「それは、また問題が違うから、一緒くたに考えたらあかんような気がするけど」
「そうでしょうか」
「どうしたん? 疲れてんのか?」
「P先生とか、Z先生にも迷惑かけたし、なんかもう連鎖していきそうで」
「さて、年明けの予定を決めるか」
「あの、1月末に大学の試験があって」
「おわぁ、忙しいな。2月に入ってからと、1月の中旬と、どっちが時間ある?」
「1月中旬、かな?」
「時間がある時をねらって、病院に来るってのも、なんかオモロイな」
「オモロイ(笑)!」
「まず、年明けの予定、頑張ってな!」
「ありがとう。頑張ります」
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