外科のM先生に、一昨年の4月から今年の3月まで、診察をしていただいた。M先生は「誰もが振り返るような美しい人」ってわけじゃないけど、ラグビーをしていたためもあって、すごーーーく大きな人なので(大きいからラグビーをしたのかもしれないが)、とても印象が深かった。
M先生に診てもらっている間に、私は耳の調子が悪くなり、メニエール病の治療を再スタートした。祖母の看病で、疲れてやせ細ってしまった私に、M先生は「おばあちゃんの事情はよくわかるけど、自分の体はどうなんや?」と強い調子で言ったことがある。あまりにも自分のことをかまわない私を、心配してくれた。
耳が悪くなってからの半年間、M先生がさりげなく、しかし強く「大丈夫や!!」と励ましてくれたことを、今も思い出す。
M先生が転勤されて、「大丈夫!!」という言葉が、もう簡単に手の届くところにはなくなった。
そうなった今、改めて思う。M先生の言葉にどれほど励まされていたのか。
「他の先生が何も言ってくれない」ということじゃない。とても気を遣ってくださることは、よく分かっているし、私自身も、必要以上に甘えないようにしている。
ただ「大丈夫!!」というあの言葉は「M先生にしかいえない言葉」だったのだろう。外科の先生なのに、耳の心配をしてくれたあの言葉は、誰も「代わりに言う」ことができない、M先生オリジナルの「大丈夫!!」だったのだろう。今になって、そのことがよく分かる。
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