大昔のことになる。
その人が、あまりにもワガママだったから、もう付き合えないと思い、距離を置いた。
その人は初めのうち、説得しようとしたり、叱りつけたり、あるいは懇願したりといった態度に出てきたが、やがて音沙汰はなくなった。
そして、1か月ほど時間が空いてから、手紙が届いた。
そこには、その人の反省の弁が書かれてあったため、びっくりした。
残念ながら、反省してほしいポイントとしてはずれていたので、その当時の自分は「やっぱり分かってない!」と思い、いら立ちを募らせて「そうじゃないだろ!」的な返事の手紙を書いて、終わりとした。
ただ、自分が大人になって、
「この世の中には、非を認めながら謝らない人なんて、たくさんいる」
ということを実感できるようになってから、その人を思いだすようになった。
あのワガママな人は、ポイントがずれているとはいえ、自分のプライドを保つことより、「反省してくれた」のだ。
勇気が要ったと思うし、その点は、自分も考えなければいけなかったのではないかと、今は思う。
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