かつて、とても信頼している人が出張で不在だったため、他の人が緊急の出来事に応じてくれたということがあった。
そして、出張からもどったその人に激怒された。
激怒の理由はよく分からなかったけれど、「あぁ、もうだめなんだなぁ」ということを、この時点でなんとなく感じていたことが、今は分かる。
不在は誰のせいでもない。
不在の間に、緊急の出来事が起こったのもまた、誰のせいでもない。
だからこそ、不在の人以外で何とかしなければならないし、その人が戻ったときには(最悪の出来事の中でも)できるだけ良い状態にしておきたいと、必死の行動だった。
あれから何年も経って、「もうだめだ」となった今、そのことを持ち出すのは良くないと思う。
だれも、救われないから。
そして、あの時点でいったん飲み込んだことを、何年も発酵させてから吐き出すのは、一種の卑怯さだと思うから。
でも、どうしても「今の恐怖」「あのときの哀しさと怖さ」というのが、重なってしまう。
自分で恐怖を2倍に膨らませてしまっているのだ。
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