人がいったん「専門家に相談したい」と決めた時、その行動スピードは速い。情報収集能力も高い。
しかし、「専門家の中で誰を選ぶか?」を決めるときには、「専門家としての腕がすごそうだから」というケースは意外に少ないように思う。
・住所が近い
・その専門家を知っている人の紹介
・評判がいい
・本を書いたり講演活動をしたりしている
……のような理由が多いように思う。
そして「頼むんじゃなかった」と後悔するときは、「専門家としての腕前がどうだったか?」が一番の論点となって、「どうも人柄が……」「相性が……」という問題が来るまでには時間がかかる。
専門家としての技術が足りない場合には、1日、2日で切り捨てざるを得なくなるけれど、初めの依頼をクリアして付き合いが長くなるモードに入ったときは、人柄・相性の問題で息苦しくなるまでに時間がかかる。
私の中でも、付き合いとしては5、6年になるけれど、この人とはビジネス以外の面では、決して打ち解けられないだろうなという人がいる。でも、ビジネス上の支障がない程度の付き合いは続いている。
いっぽうで、初めの1年くらいは打ち解けられなかったけど、技術の提供を1年ほど受け続けるうちに、お互いの呼吸があってきたというケースもある。
相手がコンピュータであれば、1日、2日で「使える、使えない」の結論が出るのに。
「専門家としての腕前」も、「正解を出してくれるか・くれないか」という点でコンピュータに向き合うのに似ている。
その後「コンピュータ」ではなく人としての付き合いに結論が出るのには、時間がかかる。
人って難しくて面白い。
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