先日、面白そうな映画を探していたら、上映終了寸前の「LIFE!」を見つけた。
平凡な人生を送り、空想の中だけで冒険を楽しんでいた主人公が、仕事で必要なフィルムを紛失(実は彼の責任ではなかったのだが)したことをきっかけに、生き方を変えていくという話。
初めのうちは、白々しい空想シーンの描写に気持ちの悪さを感じた。
しかし、空想シーンが少なくなり、現実のシーンが多くなっていくにつれ、落ち着いて、気分よく観られるようになった。
昔、私は
「『介護の傍らのライター業』ではなく『プロ意識をもったライター業』を続けていけるか?」
の岐路に立たされたときに、
「ライターを名乗り、結果的にそれがうまくいかなかったとして、何を失うのか?」
と、某先生から聞かれた。
ライターは初期投資などがあまりいらない。だから、もしうまくいかなかったとして、
「ライターという肩書が、なくなる」
というだけ。つまり、元の自分に戻るだけだ。
そう気づいた瞬間には、決断をするのに何日もかかったのが、なんだかおかしくなったものだ。
「LIFE!」では、主人公が会社を飛び出し、空港へ向かう瞬間が、あまり大げさではなく、すっきりとした描かれ方をしている。この1つの決断はとても大事なんだけれど、それだけで主人公の考え方が変わったのではなく、その後も数度の紆余曲折を経て変わっていく様子は、リアリティがあった。
今回も良い映画に出会えた。
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