私はけっこう簡単に「XさんとYさんって愛し合ってるんですよね」と言っては「黙れっ!!」と言われる。
そんなに簡単に「愛してる」と言えるのは「愛してる」という感情を他人事だと思っていたから。
私は「欠陥品」という言葉に縛られている。学生時代、先生と呼んだ人からの、その言葉に。だから、私には他人を「愛してる」などという資格はないと、今も自分に足かせをはめている。自分から重石を抱えている。
ところで、最近、どうしても「愛してる」としか表現のできない気持ちを、自分は抱いている。
その人は既婚者で、年齢もだいぶ離れていて、恋愛って感じじゃない。
それでも、他にどうにも表現のしようがない気持ち。
「愛してる」という言葉が、こんなに強いパワーを持つものだと、改めて実感している。欠陥品の私の中にも、愛情というものは息づいているのだ。
愛っていうのは、すなわち恋愛関係を指すものではなくて、親子愛や兄弟愛、様々な愛があるだろうけれど、今の日本語の中では「愛してる」という感情は、恋愛に近いものとされているし、私もそれに異論はない。
自分はこれからも、今までどおり無邪気に、「愛してる」と言えるだろうか?
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