ちょうど去年の今頃、家族と一緒に、あるいは誰かと一緒に、ご飯を食べるのが苦痛で、自室で食べるスナック菓子が主食だった。
祖母が残したひどい言葉。
私の耳のこと、卵巣のことを受け入れられず、パニックになっている家族が発する言葉。
「こんな言葉ばかり聞いているから、難聴になったんじゃないか?」と本気で思ったものだ(今も思っている)。
私は洋風の料理があまりできず、和風の煮物を作るのが好きだ。それを綺麗に皿にもりつけ、お箸をきちっと使って食べるのが、本当は好きだ。
でも去年の今頃は、食卓についた場合でも、味噌汁を一杯飲むのがやっとだった。スナック菓子を手づかみで食べてばかりいて、箸など使わない日もあった。
スナック菓子を美味しいと感じたことなどなかった。それはスナック菓子の問題ではなく、私の問題だ。
外科のM先生に「毒やで、わかってんな?」と言われたスナック菓子「だけ」を食べる生活から抜け出せたきっかけは、婦人科のT先生にカルナクリンを出してもらったころ、今年の3月ごろだったと思う。
その頃、やたら唐突に「M先生に2年分の診察の記録を届ける約束を、M先生が転勤する前に守らなくては」と思って(転勤後に、転勤先に届けても支障は無かったはず)、ブログに書いてある2年分の記事を印刷し始めたころでもあった。
2年分の診察の記録を読み返すと、何度も「よく噛んで食べなあかんで」と、まるで幼稚園児に諭すような言葉を、M先生が話してくださった記録が何度もあり、なんだか笑えた。「スナック菓子はそもそも毒やで。そんなもん、よく噛んだってあかんで」と言われたこともある。
M先生との2年間が思い出されて、「毒や」と言われたスナック菓子ばかり食べている自分が、とても悲しくなって、ばかばかしくなった。
それからも紆余曲折あったけれども、私はある人と「耳のことと卵巣のことでは、もう泣かない」と約束をした。その約束を破ったこともあるけれど、おおむね守ることができたと思う。
だんだんと、朝昼晩の3回、確実に食事を取ることができるようになり、食べる量はずっと増えた。イソバイド(メニエール病改善薬)の本格的な投薬も始まり、運動量もずっと増えた。そして体重は一気に減った。
先日、久しぶりにスナック菓子を食べたら、不思議と「美味しいな」と思った。食べる人の心は、こんなにも食べ物の味に反映されるのだ。
もう主食ではなくなったスナック菓子。やっぱ「菓子」を主食にするのは、良くないな。これからはスナック菓子ともうまく付き合っていけるように思う。
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