なんか盗みに

精神科のN先生のところへ行った。

「先生、今回は日程を変えて頂きすみませんでした。手紙も書いてくることができなくて」
「いえ、いいんですよ。どんな調子ですか？」
「まず外科でエコーをしていただいて、特に悪性の何かが映っているということは、なかったそうです」
「はい」
「それで、カバサールの量を増やしてもらえるかもしれないのです」
「……カバサールというのは、どこかで聞いたことがあるんですけれど……」

辞典みたいなのを開く。

「あぁ、もとはパーキンソン病のお薬ですね」
「はい。あの、私は週1回飲んでいるのですが、その飲み方でも副作用の発現率が、他のお薬に比べると高い数値ですよね」
「はい」
「そしてパーキンソン病の方はもっとたくさん服用しなければいけないのですよね？」
「はい」
「それだけ副作用のリスクがあってでも、お薬を服用するほうがいいということは、パーキンソン病の方は病気そのものの症状がとてもおつらいということですよね」
「そうですね。今は良いお薬も出ていますので、合うお薬が見つかるかどうかが、決め手になるようですね」

「あの、S先生が地図を描いてくれました！」
「ほぉ。。。」
「この辺が○○センターとか○○会館とかで」
「あぁあぁ、この辺になるんですね」
「はい」
「では、なんか盗みに行きましょうか？」
「盗まれるようなものは、あまりないです。家という筐体は盗めないですしね」
「夜道とかは、気をつけてくださいね」
「はい！」

「さて、今回は少し日程が変わりましたが、このまま2週間後に来ますか？　それとも前の曜日に戻しますか？」
「あの、実は次回も金曜日に来られないので、今日の2週間後がいいです」
「そうですか。ではお薬もいつも通りで大丈夫ですか？」
「当面は大丈夫です。もし、1000万円とかがもらえるなら、そりゃあ嬉しいですが」
「今度、あるときにあげます。今、手元にないんでね」
「あるときは、くれるんですね？」
「いつ、あるかは、わかりませんよ」
ぐはっ！

今日は、リスミー、ハルシオン、デパスをいただいて帰宅する。ありがとうございました。