昨年の今日は、手術から1夜が明けたところ。
今頃の時刻はちょうど、酸素マスクとモニターの電極を外してもらい、ふらつかずに歩行できるかのチェックを受けていたところだった。
もともと、病室で勉強させてもらうことは話してあったので、Z先生は
「今日から普通の生活してね」
と言ってくれたのをおぼえている。
M先生が肺癌の勉強を見てくれたことも。
病室から山が見えて、その堂々とした佇まいにあこがれるようになったのもこの時。
あれから1年が経った。
今年はP先生に、
「何でもしていいよ」
と言ってもらった。
昨年はまだP先生のことをよく知らなかったから、先生の大きな茶色い目は、とってもよく動くんだってこともしっかりとは見ていなかった。
来週の海のイベントのことも話してはいなかったし、筋トレのこと、サッカーの審判をしていたことを話すようになるとは思わなかった。
大学でたまたま選んだ授業のことも、まさかP先生が「あ、うちの教授やんか」と言ってくれるなんて想像もしなかった。
今、こうして山の見える家に住んでいることも、予想外の展開だったな。
きっといつか、あの山に登ろうと今は思っている。
「普通の生活してね」
「何でもしていいよ」
この言葉に勇気を1つ、いただいたのだと思う。
だから少しずつ、やりたいことを、やろう。
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