婦人科のT先生の所へ行った。
「こんにちは」
「はい、こんにちは」
基礎体温表を渡す。
「……抜けまくってるな」
「すみません」
「今回は、上がってないなぁ」
「気候のせいじゃないでしょうか?」
「それもあるかもしれへんけど、一番低い日がぽんとあって、そのあとはっきり上がったという証拠がないなぁ」
「はい」
「で」
「はい」
「カバサール、どうするよ?」
「季節も良いし、皮膚炎の心配もなくなるから、やめてもいけると思います」
「そうですか。まぁ、今後、排卵がどうなるか、周期がどうなるか、診ていく必要はあるけど、思い切ってやめようか」
「はい」
「それやったら、薬はボルタレンSRと、他は?」
「ロペミン」
「え? 前渡してるで?」
「あ、あの、風邪かなんかようわからんのですが、下痢や腹痛が続いた時期があって」
「足らんようになった?」
「はい」
「ほかは?」
「幻の秘薬とかはないんですか?」
「……どんな効果がある薬?」
「え?」
「幻は幻でも、必要な効果がなかったら意味ないやん」
「え? 幻……」
「漢方薬とかって、抵抗ある?」
「えっと、いきなりですね?」
「漢方薬はどうしても苦手やとか」
「いえ、内科の先生にもらってた時期ありますよ」
「ほぉおお」
「六君子湯とか、補中益気湯とか」
「幻っていうと、そういう系統の薬って感じするやん?」
「え? そうですか?」
「何に効いてほしいん?」
「恋人ができる」
「それは、症状とちゃうやん(笑)」
「単価が高くて、いい仕事がめっちゃくる」
「ふゆうさんがどうやって仕事もらってんのか、僕もよくわかってないし」
「貧乏性がなおる」
「まぁ、でも、あれやろ、最近、文楽観に行ってたら、幸せやろ」
「うん」
「こないだも、行ってたんやんな?」
「はい!」
「あの、もうすぐ誕生日なんです。おめでとうって書いて」
「10月12日やろ?」
「はい。 なんでわかったん?」
「そりゃあ、わかるわな。目の前におられたら緊張するから、あとで処方箋と一緒に渡すわ」
「はい、ありがとうございます」
ちょっと待つ。
やがて、T先生が手書きのメッセージをくださったのでお礼を言って帰宅する。
今日も本当にありがとうございました。ぺこり。
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