婦人科のT先生のところへ行った。
「今年もよろしくお願いします」
「はい、こちらこそ、よろしくお願いします」
「ずいぶん、早く呼んでもらってます?」
「うん。今、患者さんがちょうど、いないからな」
手紙と基礎体温表を渡す。
「まず、基礎体温はキレイやけど、月経が遅れ気味?」
「いえ、あの、もう来ると思います」
「……そうやな、今回は排卵日がわかるから、14日経ってそろそろというところかな?」
「はい!」
「で、手紙は、これは読んだほうがいい?」
「はい」
「……これって、もらっても大丈夫? カルテに貼っていい?」
「はい。あの、同じもの2枚作って、自分のノートにも貼っているのです!」
「ほぉお、なるほど」
「でや。エコーしよっか」
「エコー」
「うん。エコー、長いことかけてないからなぁ。内診台、久しぶり?」
「でも、まえ、がん検診はやった!」
「あぁ、そっかそっか。じゃあ今日はエコーな」
「はい」
内診の部屋へ。
しばらく先生が卵巣を探している。
「ふゆうさん、画面見えるかな?」
「うん」
「これ、子宮やねんけど。わかる」
「おぉ、子宮」
「うん、でな、子宮の写ってる下の方、見える?」
「え? 見えはするけど、どのようなことになっているかは?」
「さっきから、卵巣を探してるんやけど、どれが卵巣かがわからない」
「え?」
「なぜかっていうと、ほら、この辺の、たぶん小腸かな、蠕動が激しくて。見えるかな?」
「あ、うごうごってなってる」
「うん。あ、これかな? 違った。こういう感じのことを繰返してて」
「はい」
「とりあえず、うちのエコーでは、子宮に変なものが写ってるとかないから」
「はい。あ、子宮の写真撮りたいな」
「うん。コピーあげるわ」
この後、子宮の形の説明をしていただいた。
診察の部屋に戻って。
「子宮の画像、嬉しいな」
「……嬉しいか?」
「はい。だって肉眼で見ることないし」
「まぁ、そうやな(笑)」
「さて、できるなら、S先生に話せたらいいねんけど」
「はい、話します」
「診察は早めに行ける?」
「え? 早め?」
「いつ予約があるん?」
「月曜日」
「え、来週の?」
「はい」
「がっ(笑)!」
「なっ(笑)!」
「それやったら、普通に行って話して(笑)!」
「ははははは(笑)!」
「ははははは(笑)!」
「あの、真面目な話。いや、常に真面目ですけど」
「はい」
「同じ痛みがあっても、日中は気にならなくて、夜中とか気になるっていうのは、精神的な面の影響もあるんでしょうか?」
「あの、心理的な面のことが消化器官の働きに影響するっていう面はあります」
「はい」
「でも、12月の半ばから痛んでいて、ずっとこんな動きやとしたら、やっぱり気になるかなぁ」
「それだけ、消化器官が元気ってこと?」
「元気というより、腸炎とかを起こしている人の腸の動きを映すと、まさにこんな感じ」
「腸炎? でも、熱とかないし」
「だからさ、なんでここまで、消化器官が動きまくっているのかってことやねん。痛いと思うわ、これは」
「はい」
「だから、このことをS先生に話してみて、どうするか決めるのがいいかな」
「はい」
「あの、S先生に伝えることはある?」
「年度の変わり目までに会いたいな」
「会いたいですか?」
「うん。異動とかの季節になるしさ。物理的に遠くなってしまったら、ますます会われへんようになるから」
「はい、伝えます! 愛を」
「で、お薬やけど」
「はい(愛はスルーされた)」
「カバサールって、S先生はどういってるの? 飲んでも大丈夫って?」
「はい」
「で、ボルタレンSRと、今日の状態やったらブスコパンはいるやろ?」
「はい。あとソ□□□が欲しいなぁ」
「出さない(笑)」
「でも、S先生なら出すかも」
「出さない(笑)」
この後、大学の試験のことなどを話す。
「ちゃんと勉強しているな」って褒めてくれる。
「あの、もし」
「うん」
「心電図のところ(心房細動、房室ブロックなどの特徴ある心電図について)で間違ったら、P先生は怒りはる?」
「ふゆうさんが間違う分には、まぁ許すやろけど。でも、俺が間違ったら『あほか。国家試験通ってるんやろ!』って言うやろな(笑)」
T先生、ありがとうございました。S先生に早く会えるように祈っています。
(祈るだけじゃなくて、ちゃんと伝えなさい、自分。)
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