私は幼いころからアトピー性皮膚炎で、中学生になったらよく腹痛を起こすようになった。
20歳を過ぎてからは、メニエール病、子宮内膜症、乳腺症、鳥肌状胃炎、成人喘息、パニック障害……、それはそれは、いろんな病名をつけてもらって、手術も3度ほど受けることができた。
そのうち「書く」ということが、趣味から仕事に変わった。
「他の人があまり経験していないことを、自分が経験している」ということは、何かを書く仕事の上では、とても大きなアドバンテージになる。
現代は、「何かを経験したい」と思えば、多くのことは経験できる時代だけれど、病気だけは「なりたいから、なる」ということはできない。
だから、何かの病名をつけてもらったとき、不安や恐怖を感じるより先に、どこかでワクワクとしてしまう自分がいる。
不謹慎な生き方なのかもしれない。
でも、これからもきっと、こうやって生きていく。
私が書いた何かのせいで「病気=怖いもの、哀しいもの、悲惨なもの」だと思う人が増えてしまわないように。
願わくば、私の書いた何かによって、病気に対する不安・恐怖・哀しみ・苦しみを手放すことができる人が、一人でも増えるように。
神様が「もう、あなたが学ぶべき・経験すべきことは、全て終わったよ」と言ってくれるまで、私はこうやって生きていくのだろうと思う。
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