■人間は「経験と感動」を積むために生まれる
日本には「百聞は一見にしかず」ということわざがあり、経験をすることの大切さは、昔からよく知られてきた。
「人間は『経験と感動』を積み、魂を磨くために生まれてきた」とは江原啓之氏の言葉。
人間は、魂のレベルをたかめるために「変化」を望むのだという。どんなに「つつがなく」見える人生にも、日常的にはささいな「変化」は常に起こっている。それを肯定的に受け入れることが大切なのだ。自分の「今」にしがみつくことなく、「どうせ変化するなら、自分の魂がより深く、広く、高く、大きくなるように」変化を受け入れることが、大切だ。
■弱くて醜い私のことを正直に書く
今年の6月のことだった。「自分がメニエール病を再発させたことを、本当に反省するには『何が起こって、その結果が何で、自分はどう反省したのか? をたどってみなければならない」と考え、ブログを読み直した。
「こんなに大勢の人に心配と迷惑をかけてしまったのだ・・・」と愕然とした。
それまで、
耳のホームページには「どうか希望を捨てないで」「適切な治療を受けて、努力を続ければ、今日よりすばらしい明日が、必ず来る」と、意識的に明るい姿勢で文章をつづってきた。
その私が、現実にはこんなに醜く弱く、頼りない姿をさらし、「助けてくれ」と素直に言えずに事態を悪化させている。
「助けてくれ」と、一人でも多くの人が言えるようになってほしい。メニエール病患者の人たちは「他人を思いやるあまりに、自分のことが後回しになる」という面をもっている。だから「助けてくれということの大切さ」に気づいてほしい。
その思いから、私は「自分のいけなかった点を中心に、ありのままの姿を書くこと」を決めた。メニエール病をなんとかしたくて、藁にもすがる思いでインターネット上の情報を探している人々に、私のこのような姿をさらしていいものか、迷いはあったけれど。
■「引き寄せの法則」を思い出す
話は昨年までさかのぼるが。
昨年の8月ごろだったか「引き寄せの法則」がYoutubeでも見られるようになり、書籍も多数発売され、映画も公開され、大注目を集めた。私はその事実を知っていたけれど、身内の介護中だったので、動画を視聴することもなかった。
「引き寄せの法則」のイメージ動画がある。毎日でも気軽に視聴できるように、3分程度の画像と音楽とメッセージ(アファメーションの手法を導入したものだろう)で構成されたものだ。
メニエール病の文章を書き上げたころ、ふと「そういえば、引き寄せの法則ってあったなぁ」と思い出して、動画サイトを巡回した。映画を、頻繁に全編視聴するのは大変なので、イメージ動画として提供されている「The Secret To You 日本語版」を時々見るようになった。
その中で「I AM FREE TO BE MYSELF(私は私であっていい)」という言葉とともに、都会のネオンサインを背景に笑う少女と、東南アジアのどこかの学校で授業を受けているらしい少女が映る。この対比がすばらしく「人にはいろんな、生まれ、育ち、年老い方があるのだ」というメッセージが、とても強く伝わってくる。
メニエール病再発の記録に登場してくださった先生には、「再発させてしまったことを理由に、泣くのはもう終わりにする」という宣言と、そして「耳のことを通して、これほどすばらしい経験と感動を積みました」という報告と、そして感謝の気持ちをこめて、文章をプリントアウトしてお渡しした。
■小さな挑戦を楽しむ
「I AM FREE TO BE MYSELF(私は私であっていい)」
私は、現実の自分を受け入れて、「これが本当の私だ」と胸を張って生きていく。そう決めた。
それからは、手話の楽しさに夢中になった時期もある。子どもがおぼえたことを何でも話したがるかのように、おぼえた手話を使うようになった。
聞こえづらいことで人に迷惑をかけたら、どうしよう? という思いは、急に消えることはなかった。
また「ひどいこと」を言われたら、どうしようと不安になったこともある。
しかし、会話をしなくても、できる「新しい挑戦」はたくさんある。
私は「行ったことのない店に、あえて出かけてみる」「食べたことのないものを、あえて食べてみる」「読んだことのない本を読んでみる」など、小さな変化を楽しむようになった。
同じお店に行くのでも、違う道を通ってみると、すばらしい自然が残っている道を発見した、ということもある。
やがて、家族構成の変化、自分の体調の変化、主治医の交代、仕事内容が変わることなど、身辺が少しずつ、変化し始めた。
「経験と感動を積む、とはこういうことか」
「確かに、百聞は一見にしかず、と言える」
そう思えるようになった。
このころから、名刺の裏には「
内リンパ嚢開放術を受けた話 管理人」と書き、ホームページのURLを載せるようになった。
■変化への胎動が始まる
今年11月と12月には、旧友との再会をいくつか経験した。その一人は、私にワンちゃんの写真を提供してくれて「ブログに載せてくれていいよ」と快く承諾してくれた。いくつかストックしている写真もあるし、これからもお送りくださるとのことなので、楽しい交流が続けられそうだ。
↓こんなワンちゃん
今となっては「お前はなんて失礼な奴なんだ!!」と恥じ入る点も多いが、主治医の先生に「アルフィーの高見沢さんのような髪型になって」と一言言ってしまった、それがキッカケで、様々な経験を積ませていただいたこともある。
http://www.mypress.jp/v2_writers/kounokagerou/story/?story_id=1879838
また、新しい出会いもあった。先日は、はまのゆかさん、LOHASNOTESさんを、共通の知人の方から紹介していただき、本当に楽しいイベントを経験させていただいた。私は「新しい音の感じ方」をお三人のおかげで手に入れることができて、感謝してもしたりない気持ちだ。
はまのゆかさんのブログ
http://blog.hamanoyuka.net/
LOHASNOTESさんのブログ
http://ameblo.jp/lohas-notes/
今年を振り返り「経験と感動を積むことは、こんなにもすばらしいことだ」という気持ちを得たこと、それが今年一番の収穫だったと、心から思う。
あと8時間と少しで今年は終わる。
来年も、小さな挑戦と様々な変化を楽しんで生きていきたい。
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