「私なんか、いないほうがいいよね」「何の役にも立ってない」って思うとき、昔はどこかで「そんなことないよ」という言葉を期待していた。誰かに言ってもらうだけじゃなくて、自分自身でも「そんなことないよ」と思える何かを、探したくなった。
でも、ある経験をしてから、「いないほうが……」と言うこと・思うことが怖くなった。
「私は何の役にも立っていない」と悩んでいた新人。
リーダーが「新人を助けてやってくれ」と先輩メンバーに依頼する。
しかし先輩メンバーは「何の役にも立っていないのは事実ですから、助けたくありません」と切り捨てたのだ。
悩んでいた新人にとって「役に立っていないのは事実」と言われた心のショックは、いかほどのものだっただろうか。
実はこのとき、先輩メンバーの側にも事情があったことが、後にわかる。ただ、後に事情がわかったからといって、必要以上に辛くあたられた新人の心が、元に戻るはずもない。そして、先輩メンバーは壊れていく新人の姿を見て、後悔を募らせたことだろう。
私はこの出来事を、第三者として見ていたけれど、もし自分が新人の立場だったらと思うと、恐ろしい。
「私はもう、いないほうがいい」
「うん、そのほうがいいよ」
って言われたら、どうしたらいいんだろう?
「何の役にも立たない」「いないほうがいい」という言葉の怖さを知っているはずなのに。
自分の望む通りの答えをしてくれる人ばかりではないことも、ちゃんとわかってるはずなのに。
どうして、今の私はそう思うことを、止められないんだろう。
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