願望と幻想

「その人の役に立ちたい」というのは私の願望で、「役に立てている」というのは幻想。
私がいなくても、その人にとって大したことじゃない。

こんな風に考えても、誰も幸せにならないのはわかっているのに。

たとえば「ありがとう」「これからもよろしく」という思いは、言葉に出して伝えられるものがすべてじゃないことも、知っているはずなのに。

傘を貸してくれた。

東京の大井町で、パチンコ屋の人がわざわざ追いかけてきて、傘を貸してくれた。
後で返しに行ったら、お礼を言ってくれた。
助かったのはこちらなのに。

幸せっていうのは、こういう気持なんだろうな。

↓写真はフジテレビの社屋。

気にかけてもらえないより、ずっと嬉しい。

ある劇場の方から「6月の公演までに治りそうなん？」と心配していただいた。
嬉しい。
たとえ人数合わせでも、気にかけてもらえないより、ずっと嬉しい。

生かしてもらっている。

今、私は生きているんじゃない。

「来月、会いましょう」と約束をした人に、笑顔で会えるようにしたい。
ずっと遠い未来のことは考えられないけれど、数か月先のことなら、まだ考える力がある。

だから、その約束に、その人に。
私は生かしてもらっているのだ。

昔言われたこと

昔、っていっても大昔じゃないくらいの昔、「役に立たない」「ろくでもない」って言葉を言われるのが嫌で嫌で、そうこうするうちに「難聴が進んでるよ」と言われた。
物語としてあんまりにも「できすぎ」な感じがして、「心因性難聴ではないんですか？」と先生に聞いた。

昔言われた「役に立たない」「ろくでもない」って言葉が、今、現実になりかかっているように思う。

あまりにもそんなこと思い続けて、また難聴になったり、他の病気になったりするのは、本当にいけないことだ。