お問合せの多い項目に「手術後のことについてもっと知りたい」というものがあります。わかる範囲ですが、お答えします。
【前庭代償について】
Q.前庭代償ってなんですか?
A.めちゃくちゃ簡単に書きます。
片側の内耳が急激に障害を受けた場合、回転性めまい、ふらつきなど、平衡機能の失調が起こります。
しかし内耳の障害そのものが治ったのではなくても、小脳などの働きによって、時間が経つにつれて、平衡機能の失調状態が解消していくことがあります。このような回復現象を「前庭代償」というそうです。
以上は、あまりにも簡単すぎる説明で、省略した部分がずいぶんあります。主治医の先生から改めて説明があった場合には「わかっている」などと思わず真剣に聞いてください。間違っても「インターネットで調べた」など言ってはいけません。
【手術後のめまい、平衡機能の具合について】
Q.手術後は、前庭代償によるふらつき、めまいなどはあるのでしょうか?
A.私の場合は、ありませんでした。
手術後、ベッドから離れられるまでの期間は、最近はずっと短くなっているそうです。私の場合は、足腰の筋肉の衰えによるふらつきはありましたが、早くに離床できるのであれば、筋力の衰えもずっと楽ではないかと思うのですが、いかがでしょう? (←質問に質問で返す、どこぞの仕分け人のようですね。。。)
【一時的に症状がひどくなる】
Q.手術後、一時的に症状がひどくなるって本当ですか? めまいがひどくて、吐くほどのことになるのですか?
A.手術後にめまいがひどくなることは、私はありませんでした。ただしゼロではありませんでした。
手術をした日の深夜には「頭位性めまい」を経験しました。頭の角度を変えるとめまいがするのですが、頭を元に戻すとめまいが止まります。この現象が不謹慎ですが面白くて、何度も頭を回していました。
退院後になりますが、一度だけ早朝・寝起きに、頭位性めまいを経験しています。
そして、これを最後に、めまいはなくなりました。望んでも望んでも、天井がぐるぐる回るあの感覚が経験できない今となっては、めまいが懐かしくもあり、時折シャワーのお湯を耳に入れたい衝動に駆られ・・・てはいませんが、もっとめまいを経験・観察しておけばよかったとすら、思います。
【髪を剃ったあとについて】
Q.手術する部位の髪の毛を、剃ったあとは目立ちますか?
A.私は耳の下、顎より上のショートヘアでしたが、あまり目立ちませんでした。
手術後、抜糸をするまでの数日は、ガーゼで押さえられた上に、包帯を巻かれているので、目立ちます。が、入院しているのだから、そう心配することはありません。
抜糸が済んで、洗髪や入浴をするようになってはじめて「あぁ、髪を剃ってしまったんだなぁ」と思うようになりますが、耳を出すくらいのベリーショートヘアにしていない限りは、目立つことはないでしょう。
退院後、一般的な美容室に行くときには、事前に説明したほうが、美容師さんも驚かないで対処してくれます。
【尿道カテーテルについて】
Q.尿道カテーテルを入れるのは絶対に必要でしょうか?
A.医師や病院の考え方にも違いがありますし、患者さんのご希望にもよるようです。早くに自力で歩行でき、トイレにも行けて、体液管理が重要でない場合には、尿道カテーテルは入れないという先生や病院の方針もあるそうです。
ただし、尿道カテーテルを入れることで、尿量を観察することにもメリットはあります。ご興味がおありの方は「サードスペース」「体液管理」「侵襲(しんしゅう)」などの言葉を調べてみてください。
看護師さんや医師の方はプロなので、生殖器などを特別な目でみることはなく、そう恥ずかしがることもないと思いますが、いかがでしょう?
【持っていくと便利なもの】
Q.入院するとき持って行くと便利なものはありますか?
A.台所でよく使う「ビニール袋」と「輪ゴム」を持っていくと、便利です。様々なことに使えます。
メモ帳とペン(できれば二色)があると便利です。
公衆電話で使えるテレフォンカードと小銭もあるといいです(携帯電話の使用は制限もあるため)。
それと「靴下」を、ベッドで寝たままに手が届く範囲に、常に一足置いておくと、とても便利です。着脱しやすいように短い靴下がいいでしょう。
最近はエコバッグを利用して買い物をしている人が多いですが、それも一つ置いておくと便利です。とっさのときに使えます。
【同室の方に】
Q.同室の方にどう振舞ったらいいか、わかりません。
A.おそらく、その方々もわかっていないので、気にしなくても大丈夫です。
【手術後、何をしたらいいか】
Q.手術後って病室で、何をしたらいいんですか?
A.内リンパ嚢開放術の後に、テレビ・新聞・雑誌が読めない・見られない期間があるかもしれません。その間は手持ち無沙汰かもしれませんね。
たとえば、「私は石像」と200回つぶやきながら石像の気持ちになってみるとか、楽しみ方はあります。
この期間には間違っても「自分の将来はどうなるんだろう?」とは考えないことです。身体の状態が悪いとき、闘病と手術で疲れ切っているときに、それを考え始めると、暗い方向にしか考えが進まなくなるからです。
それと、元気になったら是非、身近な人へ手紙を書いてみてください。普段はお礼をいう機会がない人(親、兄弟、友人など)に、時間がある今のうちに感謝の気持ちをつづってみましょう。文学的な表現は必要なく「闘病中は心配をかけてごめんね。ありがとう。これからもよろしく」だけでいいのです。
できれば主治医・執刀医の先生へも「ありがとう」と書いてみるといいかもしれませんね。
【手術前後の月経について】
Q.内リンパ嚢開放術、あるいは他の手術であっても、前後に生理になった場合に、自分で生理用品を取り替えることが、できるでしょうか?
A.ごめんなさい、お答えすることができないんです。
というのは、私は内リンパ嚢開放術を受けた当時、月経を止めておりました(子宮内膜症の治療のため)。そのため、この点の心配をしたことがなく、経験がありません。
女性の方は「生理のことを他人に世話されたくない」という思いが強いでしょう。私も不思議と、排尿・排便の世話よりも、月経の世話を他人にされるほうがつらい感じがします。
女性の中には、ホルモン剤を使って月経の時期をずらして、手術に臨まれる方もいるようです。
このことに経験をお持ちの方がいらっしゃいましたら、情報をお待ちしております。
【保険の書類について】
Q.入院保険・生命保険の書類っていつ渡せばいいんですか?
A.病院・医師のシステム、忙しさなどにもよりますので、一概には言えません。また、病棟の看護師さんには預けることのできない病院もありますので(紛失のリスクがあるため)、ご注意ください。
【おまけ】
Q.手術後はブログを書いて公開したほうがいいのですか?
A.個人的には、色々な人がブログを書いてくれれば嬉しいです。
ただ、愚痴や不満ばかり書くと、自分自身が愚痴や不満にしばられ、余計につらくなります。
他人のために役立つ情報を書く、というブログが増えてほしいと思います。
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