■テレワークとツイッターの関係をお医者さんに説明する方法
http://www.mypress.jp/v2_writers/fuyuu/story/?story_id=1918871昨日の記事を書いた後に、思い出したことがある。そのときは、精神科のN院長先生に診察してもらっていた。前後の話の流れは忘れたのだが、N院長先生に次のように聞かれた。
「学校裏サイトってわかりますか?」
「学校裏サイトとは、特定の学校の話題を扱う掲示板なのですが、パスワードの入力が必要だったり、検索よけ(検索エンジンにヒットしない工夫)がされていたりして、特定の人しか閲覧できないようになっている場合が多いのです」
「そうなんですか」
「また、携帯電話でアクセスするようになっていて、パソコンでは表示できなかったり・・・」
「パソコンでは表示できないのですか?」
「いえ、あの、全てがそうとは限らないのです」
このときは「パソコンでは表示できない」という言葉に、なぜ反応されたのかわからなかった。
「・・・」
「・・・どうしたんですか?」
「このクリニックに通っている患者さんで、中学生や高校生の人というのは非常に少ないので、学校裏サイトとの関係は少ないと思うんですよね」
「あの、特定の学校の関係者には、卒業生なども含まれます。また、教職員や警察のサイバー犯罪対策室などで、ノウハウを持つ人が探せば、学校裏サイトのチェックは可能です。学校裏サイトの関係者=在学中の人とは限らないと思いますが」
「あ、そうか!!」
私のほうに、認識不足な点があって、N先生の聞きたかったことに、十分答えられたか、今となっては疑問だ。
まず、学校裏サイトのことは脇においておいて、「インターネットで自分の悪口が書かれている」「自分の考えが、パソコンや携帯電話を通して流れ出てしまう」という訴えは、統合失調症や妄想性障害など、様々な精神疾患で起こりうることだそうだ。
一方で「インターネットで悪口を書かれる」ということ自体は、妄想ではなく現実にも起こりうる。それは「他人のブログ」「匿名掲示板」など様々な場所で起こる。そして「学校裏サイト」でも起こりうる。
周囲の人は初めのうち「悪口を書かれるなんて気の毒に・・・」と思ってしまうこともある。また、健康な人でも「自分の都合の良いように、話を変えて伝える」ということはあるので、話の一つ一つを聞いていると「大袈裟だったり、つじつまが合わないこともあるが、そんなことは誰でもあるから」と思ってしまう。
上の話で言えば「パソコンで表示できないものを、見たといっている」「学生でない人が学校裏サイトの存在を気にしている」ということは、一見おかしなことにも見える。ただ、中途半端に知識のある私のような人間がしゃしゃり出て、説明をつけようと思えば、説明がついてしまう。
これが、精神疾患の難しいところだそうだ。
私は、この患者さんが誰で、どの後どうなったのか知らないけど、もう何年も経っているから、きっと良い経過をたどっていると、信じたいと思う。
精神疾患のこととは別に、学校裏サイトの存在がネットいじめにつながるということは、広く認識されつつある。ネットいじめの怖いところは「頭を冷やす時間がない」ということ。学校や職場でいじめがあったとしても、いじめる側・いじめられる側ともに「家に帰ったら冷静になれる」という面があったのだが、ネットいじめ(メールや学校裏サイトを通してのいじめ)は、24時間、いつでもできてしまう。
また、大人がこうした「子どもの世界」を理解できず、監視できない状態にあることも、ネットいじめを加速させている。
佐世保小6女児同級生殺害事件(女児が同級生をカッターナイフで刺殺した事件)は、インターネットが児童に与えた影響が大きかった事件として、記憶に残っている。この件は、ネットいじめとまでは言えないかもしれないが、いざこのような大きな事件が起こったときに、親御さんや教職員の方が「何も気づいていなかった」「何もわかってなかった」と落胆し、自分を責めることが目に見えるようで、胸が痛くなる。
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