外科のS先生のところへ行った。
「おはようございます」
「はい、おはよう。コロネルはどうやった?」
「コロネルは・・・飲んだ」
「飲んだ・・・結果どうやった(笑)?」
「あの、またかって言われそうなんですけど、あの不幸があって」
「・・・え? 急やったん?」
「私たちにとっては、本当に急な話でしたが、持病のある人だったんですよ。それで、そのこと以降、胸が詰まったようになって、食事が取れなかったんですよ」
「そら、そうやなぁ・・・」
「でも、あの、コロネルを飲んでた、はじめの3週間は調子が良かったんですよ、確実に」
「それなら、薬がないときに、一番しんどい時期がきてしまったなぁ」
「そうですけど、コロネルが全くなかったら、どうなってたか・・・」
「そうとも言えるなぁ」
「前みたいに、ご飯食べなかったら、また体調が悪くなるんで、気をつけるようにしたんです。10割は食べられんでも、リズムだけは見失わんように」
「あぁ、それはいいことやったね。胃は痛くなったり、吐いたりは、なかった?」
「あまり、なかったですね。食欲がないというだけで」
「・・・そうか。それならまぁ、良かった・・・って言っていいんかなぁ?」
「ありがとうございます」
「他の科の処方は、変わってる?」
「あの、婦人科のT先生に、つなぎでナウゼリンをもらいました」
「T先生なぁ」
「なんか、疲れてはった」
「忙しいねんやろな」
「そうなんかなぁ」
「あの」
「はい」
「ある方から、色々、頼まれることがあったんですよ。そのときはわからんかったけど、多分、私が塞ぎこんでしまわんように、用事を作ってくれてはったんやなぁって、今は思うんですよ」
「なるほどね。前みたいに、すごい落ち込んでる様子でもないしな」
「はい」
「・・・そういう状態やったら、仕事はどうしてたん?」
「やってましたよ。仕事があったから、救われてた部分はありますね。落ち込んでる時間を、あまり持てなかったんですよね」
「思うねんけど、私らが仕事やって言ったら『家を離れて職場に来る』いうプロセスがあるやん?」
「はい」
「ふゆうの場合は、それがないやんか? 今回みたいにプライベートでしんどいことがあっても、仕事に『行く』という間に、強引に切り替えられるというのが、私はあるけど」
「そうですね」
「プライベートを引きずったまま、仕事をするのは、しんどくないの?」
「私も、最近になってやっと、切り替えられるようになりましたね。物理的に移動することはできへんから、それこそ『ノートパソコンを開けた瞬間から仕事のモード』みたいな感じに、なんかの動作だけ・気持ちだけで切り替えられるようになったのは、最近かなぁ」
「大変やなぁと思うわ」
「今回みたいに『プライベートがつらいから、仕事に逃げるぞ』いうのも、即効でできるとも、言えるんで(笑)」
「8月、9月が忙しかったって言ってたやん? それはどうなったん?」
「あの時期ね、みんな壊れてたんちゃうかなって思う」
「なんで?」
「以前なら、夜中の2時や3時に、連絡がいっぱい来るってことはなかった人から、夜中にメールの着信がたくさんあることが増えたり」
「ふゆうも起きてたん?」
「いや、私はよほどじゃないかぎり、翌日に返事させてもらったりしてたけど。それに、ありえない発注ミスをされる会社があったりして。季候のせいなのか、なんなのか、自分だけじゃなくて、他にもたくさんの人が壊れてる感じがしてました」
「今年も、よく頑張りましたね」
「ありがとうございます」
「あ、M先生に会ったで」
「そうなんですか? 元気でしたか?」
「うん、普通に元気やったで」
「愛を語ったりしたんですか?」
「しません!」
「少しも?」
「しません!!」
「薬やけど」
「ガスター、サイトテックは要ります」
「うん」
「あと、▲ーゼ△ト◎ー」
「・・・何?」
「▲ーゼ△ト◎ー」
「あの、えっと、普通の名称で言って?」
「え?」
「なんかの略語?」
「いや、本当に▲ーゼ△ト◎ーっていう名前やねん」
「そんなん、名前として有り得るの(笑)?」
「・・・(笑)」
「院外薬局にもないんちゃう?」
「いや、そこまで特殊なものではないから、あるはずです」
「(オーダリングシステムの薬品情報を見て)ほんまや、あるやん」
「うん。私は〜□□□(身体の疾病)だから〜、もらえるはず〜」
「ほんまやな。ぶっちゃけな、これ系の薬って、この病院では、あんまり院内にないねん」
「そうなんですか?」
「本当に必要なケースもあるねんけど、限られた薬で対処せんとあかんねん」
「大変ですね」
今日はガスター、サイトテックをいただいて帰宅する。今日もありがとうございました。ぺこり。
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