S先生の診察室へ行った。
「おは……」
「こんにちは」
「……ちょ、え、おはようございますって言いづらいんですが」
「ははははは」
「あの、T先生とP先生から預かりました」
「そうやん。いったい何を? あ! ほぉおお、これはありがとう」
「いえ。あのP先生も、とても喜んではりました」
「そうやねん。偶然にも会ってなぁ。Pさんとうまくいってるんやな」
「はい」
「で、エコーの結果やねんけど」
「はい」
「……すぐに取り除くことが必要な悪性のものが映っているとか、そんなことはない。乳腺症という範囲内で変化はあるんやけど」
「そうですか。良かった。T先生が『乳房のほうに悪性の何かがないのなら、カバサールの量を変えてみて、症状を抑えられるか見てもいいかもしれない』って」
「そうやなぁ。痛みは強い?」
「はい。あの、吐気がするようなときがあって。めちゃ気持ち悪い」
「俺はそれが、感覚的に分かれへんねんなぁ。ごめんな。痛みっていうのは分かるねんけど、吐気がしてくるっていうのがな」
「ややこしくてすみません」
画面を撮影させてもらう。
「症状って、常に『痛みも、出血もある』?」
「あの、痛みがある日を10としたら、出血もあるのは3か4くらい」
「痛みのある日とない日ってどのくらい?」
「あの、1か月でいえば黄体期に入ってからは痛みがあるけれど、その前はあまりないかな。それで、排卵日のときに、急に痛みが強くなる日があるんです。そうすると、こちらも痛み止めを意識的に飲み始めるんで」
「あぁ、マスキングされて分からなくなると」
「はい」
「エコーで悪いものが映っていないので、試せることは試してもいいんちゃうかなと俺は思う」
「はい」
「乳汁がたくさん生み出されれば、それだけ乳管も拡張して痛みが強くなってしまうからな。それを抑えて楽に過ごせるならそれに越したことはないかと」
「はい」
「で、新しい家には慣れた?」
「ありがとうございます。家の画像あるよ」
見せる。
仕事部屋、というか仕事机を「かっこいい!」と褒めてもらった。
そして「わざとらしい庭木はあかん」って言われた。。。
「(紙に地図を描きながら)この住所やと、この辺?」
「だいたい合ってます」
「そこって、サ□□□アとかあるやろ? 向いがたこ焼き屋さんで」
「え、あの、たこ焼き屋さんが分からないです(笑)」
「もっとこっちのほうへ行くと、○ー○○とかあるやろ?」
「あります」
「買い物はそこでしてんの?」
「はい。ただ、ちょっと歩くっていうのと、あと目が覚めてまうんですよ」
「なんで?」
「暑い季節なんで、夕方とか夜に行きたいんですね。そうしたら明るい店に入るから、目が覚めてしまって」
「ここまでって、どうやって来てるん?」
「JRの駅まで歩いて、そこからは今までと一緒ですよね」
「え? 駅まで歩いてるの?」
「はい。だから足の甲がこんなに日焼けしてしまって(笑)」
「仕事はどうや?」
「おかげさまで。今度、(記事を)持ってきます」
「なんか、俺信じられへんわ」
「え?」
「普通に社会人になって、普通に働いてもう長いやろ?」
「はい。確かに、ここまでの状況になるとは想像してませんでした」
「ちゃんと暮らしていけるやもんな。あのふゆうが(笑)」
「ありがとうございます」
今日はサイトテック、ガスター、ボルタレンサポをいただいて帰宅する。ありがとうございました。

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