T先生のところへ行った。
道中、桜の花がまだまだ散らずに残っていて、とてもうれしくなった。
「こんにちは」
「はい、こんにちは」
いすに座る。
「なんでやねん!?」
「え? あ! なんで今日は付き添いのいすと、背もたれのあるほうが逆なんですか?」
「はははは(笑)」
「(基礎体温表を渡しながら)今回、楽やったんですよ」
「何が? ……まず、ややこしい体温やな」
「そうですか?」
「うん。いつが排卵日なんか、まったくわからん」
「あの、たぶん19日目のあたり、つけてない日があるんですけど、その日かなと。体調がおかしくなったし」
「あぁあ。そうか、この空いている日が排卵日やと考えると、すっきりして見えるな」
「はい」
「その前の、10日目ごろかと思ったけど、それだと基礎体温の伸びがよくないからな」
「はい」
「え? で、『体調がおかしくなった』?」
「はい」
「え? じゃあ、何がどう楽やったん?」
「月経痛が楽でした」
「ほぉ! それは、すごい久しぶりやな」
「はい」
「えーっと、なんで?」
「はい?」
「え? なんで楽なん?」
「え、そ、それは、T先生のほうが分かるんじゃあ?」
「だって、前に来たときは『腰が相当痛い』って」
「はい、そうだったんですよ。あのときこそ、ボルタレンサポを使っとくべきやったと何度思ったことか」
「で、なんで調子いいんやろな? 良いこと自体に文句を言う気はまったくないけど(笑)」
「あのね、体重が2キロ増えたんですよ」
「あ、そうなん?」
「はい! 初めてP先生に褒めてもらった」
「そうかぁ、良かったな! 今まで厳しいことも言われてたもんなぁ」
「はい。それで、ヨット教室に行っていいって」
「……ん?」
「ん?」
「なんで、そうなるの?」
「あの、体重が軽いと転覆しやすいし、復元するのも難しいし」
「なるほどな」
「P先生は『46キロはある』ってことを、意外といってはりました」
「どういうこと?」
「もっと痩せてる印象を受けるって」
「そうやなぁ、印象からすれば30キロ台やと言われても、納得してしまうからな」
「そうですか? 体脂肪率が12,3パーセントなんで、低いんですよ」
「ほぉお。そのせいも、あるかもしれへんな」
「はい」
「さて、話は変わるけどな」
「はい」
「S先生と会えた?」
「はい。なんか究極のマイペースを貫かれたことは聞きました」
「はははは(笑)」
「思ったんですけど、S先生が断られた理由って、M先生も同じことを言って断りたかったんちゃうかなって」
「はははは。でも、○○という事情もあったんで、めちゃくちゃ楽しかったで。少なくとも僕とM先生はな(笑)」
「まぁ、そういう事情なら、楽しかったでしょうね。いいなぁ」
「今度、S先生がこっちへ来るときは、俺も呼んでもらいたいなぁ」
「あの、S先生から『次の診察までに体型の変化が見受けられなければ、しばく』的なことを言われて」
「うん」
「それもあって、ノートに食べたものを書いてみたんですよ」
「ほぉ」
「それで、P先生は『もうちょっと食べられへんかなぁ』って言ってはったけど」
「うん」
「それに、プロテインについては、筋肉を育てることはできても、体重に直結するかというと難しいなあって」
「ほぉ」
「ただ、今のところ2キロ増えたというのがあるので、しばらく続けてみようと思います。あ、この写真は、そこ(病院の西側)の港ですよ」
「まぁ、調子が良くて安心した」
「ありがとうございます。P先生が褒めてくれたから?」
「そやなぁ。調子悪いときは、Pさんに『褒めて』って頼もうかな?」
「はははは(笑)。めっちゃ頼んで!」
「『薬やと思って褒めてやってくれ』と。ホンマに効くんやろか?」
「効きます!」
今日はカバサール、ロペミンをいただいて帰宅する。
ありがとうございました。
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