「アイ」

婦人科のT先生のところへ行った。

「こんにちは」
「はい、こんにちは。僕が出した結論としてな」
「いきなり結論ですか？」
「うん。乳房の症状はまだ続いてる？」
「一時よりはだいぶ少なくなりましたけど」
「それな、中枢性のものか、腫瘍とか乳腺症によるものかで、対応が変わってくるやん？」
「はい」

先生はノートを取り出す。

「い、いきなり」
「どうしたん？」
「いきなり、古いノートが！！」
「うん、昔のノートやけどな」
「症状としては、乳腺症で乳汁が止まらないってことは、あるみたいやん？」
「はい」
「で、これまで、プロラクチン値を計っても、下垂体に腫瘍があるような気配は見受けられなかったし」
「はい」
「なんで、外科の領域やと思うねん」
「はい」
「僕としては、プロラクチン値を下げる薬は、今は出さないことにする」
「はい」
「排卵が止まってしまったり、月経が来ないとなれば、また検査してみるけど」
「はい」
「だから、S先生にここまでの話しておいてな」
「はい」

「で、基礎体温表を見よう」

渡す。

「あの、たぶん排卵がないんですけど」
「ぐはっ！　そういえば、前から過長月経の傾向があるな」
「え、そうでしたっけ？」
「うん、ほら」

カルテを見せてくれる。

「まぁ、カバサールはすぐには出さんということに決めてたので」
「はい」
「どのくらい、こういう状態が続くか、見ていこうか」
「はい」

「で、熱って、これは何日も続いてる？」
「あの、夕方だけ微熱が出るだけです」
「それは、なんで？」
「よくわからない（検査とかの説明）」
「そのことと、無排卵と関係あるかと言われたら、ちょっとわからんけど」
「はい」
「まぁ、経過を診ていくことにしましょう」

「あの、P先生のこと好き？」
「誰が？」
「T先生が」
「僕が、P先生を……（笑）、いや、あの、よく話すよ。でも『好き』かどうかって聞かれたら、返事しにくいな（笑）」
「前、P先生に色々な話をしないといけなくて、そのときT先生の写真見せたら、なんか笑ってはった」
「どういう意味やろな（笑）？」

「S先生とM先生に、会いたいなぁ」
「ノート（のスペース）、貸しましょうか（笑）？」
「うん、書いとく！　いつ？」
「月末ですね」
「じゃあ、次の診察の時、S先生の返事を楽しみにしてるわ！」
「P先生にもなんか書いて」
「うん。あ、でも、P先生のところへ行くまでにもう一回来るやろ？」
「そうですね。あ、じゃあそのとき、誕生日おめでとうって書いて！」
「ほぉお、そんな時期かぁ。考えとくわ」

「欲しい薬は？」
「ボルタレンSRとブスコパンと愛」
「……入れるだけ入れてみるわ」
「え？」

オーダリングシステムに「アイ」と入れて下さる。

「3文字以上入力してください」

「うーん、シにしよう。ほら、出てこえへんわ＼(^o^)／」

なんでそんなに嬉しそうなんですか(ノ_＜)

今日も、ありがとうございました。ぺこり。