P先生のところへ行った。
「こんにちは」
「はい、こんにちは。(椅子へ)どうぞ」
「(座る前から)先生、なんと2キロ増えたんです!」
「おぉ! それはなんと、喜ばしい」
「ありがとうございます」
「どうやったん? 頑張って食べたん?」
「あの、食べたものをノートに書きだしてみて」
「書いたら、痩せるんちゃうん(笑)?」
「あ、そういうの、ありましたね。自分は、書いているうちに『このタイミングでバナナの一本くらいなら、余計に食べれるんじゃないか』『高野豆腐を食べるくらいなら、できるんじゃないか』っていうのが、だんだん分かってきて」
「おぉ、ホンマや」
「それで、バナナと高野豆腐はめっちゃ食べてました。それと、S先生の診察へ行ったときに『次の診察で、体型の変化が見受けられなければ、それはちゃんとトレーニングとかしてない証拠や』というようなことを、言われて」
「うん」
「だから、プロテインを飲んで」
「プロテイン……プロテインはなぁ、筋肉を育てるのにはいいけど、体重には直結するかなぁ?」
「するかなぁ(笑)? あの、体脂肪率も低すぎることは、低すぎるんですよ。12,3%とかで」
「すごいな! アスリートみたいやな」
「ははははは(笑)」
「よし、聴診しよう……よし、大丈夫やな」
「ありがとうございます」
「……でも、46キロはあるんやな」
「え?」
「あぁ、そうか背が高いからかな。もっとすごい痩せてる印象を受けるんやわ」
「あぅ(T_T)、そうですか」
「次、8週間後。その調子で頑張って」
「あの!」
「ん?」
「あのね」
「ん?」
「ご迷惑はおかけしないようにするので、ヨット教室へ行って良いですか?」
「……うん、良いんちゃう?」
「ホンマ? ほんとにいい?」
「うん。2人乗りやったら、あなたの体重が軽かったとしても、なんとかなるやろ」
「あの、頑張って増やします!」
「うん。増えたほうがいいと思うからな」
今日もアテノロールをいただくことになる。ありがとうございました。ぺこり。
T先生は、P先生を紹介してくれた時、
「検査はお願いすることになるけど、その後、長期間に亘って診てもらうことには、ならんかもしれないなぁ」
と言ってくれはった。
あれから、まだ2年しか経っていないけれど、私は新しい世界に向かい合っていくことになった。
T先生も、P先生も、たぶん考えていなかったと思う。
それに、私が乳腺の手術で入院したのが、「海の日」のタイミングでなかったら、今のような事態は起こっていないかもしれない。
人との縁がどう芽を出し、どう育って行くのか、予測もできないなぁと改めて思う。
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