婦人科のT先生と話した。
「さて今日は、今後の治療方針を練り直す予定やったんやけど・・・」
「やったんやけど・・・」
「・・・一つはっきりしてることは、こうなったら、ルナベル配合錠は使えないってことやなぁ」
「精神的に無理ってこと?」
「いや、あの、精神症状が出てることも気にはなるけど、それ以前に、不正出血は起こるわ、それでノアルテン-Dは使わんといかんわ、さらに精神症状が+やわ、それってルナベル配合錠を飲んでる意味がないやろ?」
「うん。でも、ほんとにルナベルのせいで、こうなったんかなぁ・・・?」
「うーん、僕としては出せないっていうのと、今は精神的に大変やと思うから、とりあえずカルナクリンを飲んでもらおう」
「はい」
「で、安心を得てもらって、ゆっくり眠れるようになったら考えようか」
「はい」
「さて、精神症状についてはあんまり聞かんほうがいい?」
「いえ、あの、喘息手帳に書いてあるから」
「(読んで)そうか、大変やったなぁ」
「私が大変というのも、そうなんですけど、L先生のところで号泣してる状態やって、L先生が困るから、なんとかしないとって思ったんやけど・・・」
「だいぶん、泣いた?」
「うん、すごい泣いた。私は、L先生に診てもらうようになったとき、耳も悪くなって、卵巣も悪くなって、こんなときに交代してもらうことになって、L先生に申し訳ないって思ってて・・・あ、もちろんN先生には迷惑をかけてもかまわない、っていう意味じゃないねんけど。ただ、L先生と私は2才くらいしか違わないのに、着任されたばかりで、いきなりこんなへんな患者を担当させられて大変やなぁって思ってた」
「うん」
「それが、今度のできごとで、一気に爆発した感じで・・・」
「L先生は、それが仕事やから、逆にふゆうさんが気を遣って何も言わんっていう状況やったら、伝わってしまうよ」
「はい」
「いつもいつも、感情を爆発させてたら、L先生も大変やから、まぁ言い方はあるやろうけど、何も隠さんでもいいやん」
「はい」
「まぁ、ふゆうさんの事情は別として、L先生のような仕事は、ホンマにしんどいやろなぁ」
「T先生も、当直とかめっちゃあってしんどいんですよね?」
「僕らの肉体的なしんどさとはちゃうねん。僕は肉体的にしんどいのはいいねんけどな。L先生とか、前の何先生だっけ? 精神科の先生という仕事は、精神的にじわっとくると思うねんな」
「あぁ、そうですね」
「そのほうが、僕は大変やと思うなぁ。ふゆうさんが2年経って、L先生の年になったときにさぁ、L先生のようになれるか想像してみたら分かるやろ?」
「うん、確かに」
「T先生、来月がふゆうの誕生日なので、一言書いてもらってもいいですか?」
「あぁ、いいよ!! ・・・なんか、ぱっと書けって言われると、思いつかへんなぁ・・・去年、何書いた?」
「あ、あるよ!!」
「はははは。ちゃんと『来年もこの記帳ができるように』って書いてる、その通りになったな(笑)!!」
「はい」
「・・・多分、ふゆうさんとは、永い付き合いになりそうやからな(笑)」
「はい」
「また、来年もよろしく、と」
「はい、ありがとうございます!!」
『永い付き合い』ができるコツは、正直に接することと、適度な気配りをすること。これはお医者さんとも、他の人との関係でも大事なことだろう。
私は様々な「できごと(良いこと、いけないこと、いけないこと、いけないことばかり・・・)」を起こしてきたけれど、それでも19年付き合い続けてくれているH先生(喘息の先生)や、9年も付き合ってくれているN先生のような方は、どっちかというと「奇特な人」の部類に入る。
それをきちんとわきまえて、感謝の気持ちを忘れないことが、永いお付き合いができるコツだろう。
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