ロクデモナイという言葉に、いまも呪縛されている。
「お前はロクデモナイ人間だ」と言われるたびに、「きっとそうなんだ」と受け入れてきてしまった。
あんなに大好きだった祖母から、こんな言葉を遺されていたなんて、きっと私は本当にロクデモナイ人間なのだ。親戚や知人から、様々なことを言われるたびに「そんな言葉は聞きたくない」と思い、ただ黙って、難聴を進行させるという形でしか、対抗できなかった。
いつしか「耳のことで人に迷惑をかけているから、ロクデモナイ人間だっていうのは、本当だ」と、元の問題と今の問題を混同させてしまった。
自分の心を削り取ることは、他人の心を傷つけるのと同様、罪深いことだと気づかなかった。
「私はロクデモナイ人間だ」と思うようになったのは、私だけのせいだけではないかもしれない。
しかし、いつまでも「ロクデモナイ」という言葉に呪縛されているのは、私のせいだ。
呪縛を解き放って、自由になれるときが、いつか来るのだろうか?
私には呪縛を解き放つ、強い心があるんだろうか?
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