精神科のL先生のところへ行った。
「おはようございます」
「おはようございます」
「あの、L先生は、地震の影響は受けておられませんか?」
「えぇ、東京に知人がいるので、連絡が取れるまでは、安心できませんでしたね」
「そうですか。少なからぬ人が、影響を受けたのですね」
「ふゆうさんは、どうでしたか?」
「私のような働き方をしている人が、いわき市や仙台市には、たくさんいらっしゃいますので、急に連絡が取れなくなったり、安否も確認できなくて」
「そうですか、不安でしたね」
手紙を渡す。
「あ、お父さんは退院されたんですね。良かった良かった」
「ありがとうございます」
「・・・耳の症状が出ましたか?」
「はい」
「メニエール病とは違う感じ、とは?」
「それは秘密です」
「ははははは」
「ははははは」
「ははははは、それだと治療にならないですね」
L先生、ごめんなさい。頭の中で話をまとめようとして、まとまりきらなくて、咄嗟に「秘密です」と言ってしまいました。ごめんなさい。
「あの、メニエール病だと、もっと『めまいの世界に取り込まれている』という感じが、強いんです」
「はい」
「でも、あの今回は・・・映画とかテレビの画面で、めまいのシーンを見ているような、他人事というか」
「・・・その他人事のような感じというのを、心の病気かなと考えられたんですか?」
「そうです。あの、後で考えてみて、夢だったのかもしれない、本当に起こったことだったのかどうか、実感が持てないというのが」
「ああああ。解離性障害とか転換性障害のような」
「そう、それ!!」
「で、これはBPPVの可能性が高いということですね」
「はい。症状からすれば、そうだろうって」
「ふゆうさん、どちらの耳が悪いと思いますか?」
「右です」
「顔を、右斜め45度に向けて、そのまま体重を後ろに倒してみてください」
「え?」
「どこかで、頭位めまいが感じられますか?」
「あぁ、はい」
「そうですか、それならばBPPVの可能性が高いですね。
「あの、今回はいずれのめまいも、寝返りを打ったときだったのです」
「あぁ。そうですか。耳石というものが、三半規管に迷い込んで起こるめまいですね」
「こうやれば再現できるのですね」
美辞ん堂ふゆうは一つ賢くなった。
「それと」
「はい」
「あの、プロラクチンが高かったんです」
「へ?」
「プロラクチンが。あの、今、精神科で飲んでいる薬では、こういう副作用が出るものは無いですよね?」
「そうですね、作用機序から考えても、今はないですね」
「もしも、乳汁がたくさん出て困るとか、無排卵・無月経などの困ったことが出てくるようならば」
「はい」
「カバサールを週一回だけ飲むっていう方法があるそうなんです」
「カバサール・・・プロラクチンを下げるお薬ですか?」
「えっと、もとはパーキンソン病のお薬で」
・・・でっかい本を出して調べている・・・。
「へぇえ、ほんとや。これですね。乳汁漏出症・高プロラクチン血症に使うって書いてありますね」
「あぁ、ホントですね」
「飲み始めるのは、すぐですか?」
「いえ、あの、週明けに外科の先生のところへ行くんです。私は妊婦ではないので、乳腺外科で診ていただいているので、お話ししてこようとは思っています」
美辞ん堂ふゆうは、L先生を一つ賢くした。←なんて偉そうなんだ。。。
「お薬ですが、普段どおりでいけますか? そういう状況でしたら、睡眠は?」
「その点は、大丈夫です」
「そうですか。デパスも14回で」
「はい、いけます。あの、シアナマイドが欲しいです」
「・・・自力では(酒を)やめられなくなったらね(笑)」
今日も、ありがとうございました。ぺこり。勉強になりました。
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