まだ幼いとき、初めて木登りをしたことを、今でも憶えている。木に登って見下ろす景色は、初めての感激に溢れていて、一気に未来が開ける感じがして、素敵な感情がわきあがってきたことを思い出す。今まで手が届かないと思って、ただ見上げるだけだった木の枝に、手が届くことも感動的だった。
今日は精神科へ行く日だった。ただいつものN先生ではなく、L先生という新しく来られた先生に会う約束になっていた。その経緯は↓
http://www.mypress.jp/v2_writers/fuyuu/story/?story_id=1827821最大の「乗り越えるべきポイント」は、初対面であること自体よりも、あるいは私が対人恐怖症であることよりも、L先生がカッコ良過ぎることだと思う。
L先生に呼ばれたので、診察室へ行った。
「こんにちは」
「こんにちは」
自分が一生で初めて木登りをしたとき、あのときの、目の前がぱーっと開ける感じが、よみがえってきたように感じる。すっごいカッコいいんだ、半端じゃないほど。
「N先生からブログのことをお聞きしたんですが・・・」
「そ、そ、それは・・・」
昔、外科のS先生が転勤して、M先生に引継ぎをするとき「ブログを見てあげてください。治療の過程が全部書いてありますから」と言っていたそうだ。S先生とL先生は、顔のタイプは違うけれども、イケメンっていう点は共通しているなぁ、と思った。
「N先生にかかられたのは、どういう経緯だったのでしょうか?」
「内科医院に通っていて、それはアレルギーの治療をしていました。色々な事情でうつ状態になって、内科医院の先生からN先生を紹介していただきました。あ、これ、は(←慌て気味)内科の先生の写真です」
「そうですか、ていうか、写真を撮られてるんですね」
「はい、あ、これが外科で、これが産婦人科で・・・」
そもそも「L先生のお話を聞いてきなさい」とN先生から修行に出されたのに、何も聞いてなくないか?
「ここのところ、調子はいかがですかね?」
「5日と6日に、耳の調子が悪かったけど、他は問題ありませんでした」
「そうですか。そもそも、手術をしたときの耳の病名というのは、何だったのですか?」
「メニエール病です」
「内リンパ水腫、か」
「そうです。ただ、あの、8年間治っていたのですが(治っていたという表現は語弊があるかもしれませんが、話の流れでそう言いました)、介護が続いてあって、終わってから急に悪くなったのです」
「はぁあ、なるほど。それだと、心因性の可能性はありますね?」
そうそう、そうなんです、先生もそう思うでしょ!! 私もそう思ったの!!!
っていうのがホントの気持ち。
「そうなんです。私もそう思って耳鼻科の先生にお話ししたんです。ただ心因性難聴だとオージオグラムがこういう波形にならないんですよって言われて・・・」
「はぁあ、そうなんですか」
そしてこれから強引に、L先生の人生について教えてくださいと言った。L先生は真摯にお話をしてくださった。L先生のプライバシーだからここには書かないけど。
「今日は、どうもありがとうございました」
「いえ、またいつでも、来て下さいね」
「はい、どうぞよろしくお願いいたします」
今日も、ありがとうございました。ハルシオンとリスミーをいただいて帰宅することにする。
今日は夕食の買い物をして帰る。なぜかビニール袋をくれなかったので、牛革製の高級かばんに、カイワレ大根とか麻婆豆腐の素とか鶏肉とかを、ダイレクトに入れてしまう。
そして今日も、電車は人身事故で止まる。。。
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