外科のS先生の診察を受けた。
「私が再びふゆうさんの診察をするようになって、だいたい1年経ったな」
「はい」
「思うねんけど」
「はい」
「えぇ、1年やったよな・・・」
「え?」
「言いたいことはあるやろと思う。山ほど、つらいこともあったやろうけど」
「・・・」
「結果的には何でも、プラスの方向に変えてきたやんか。この1年は」
「・・・そうですかね」
「うん。ホンマにえぇ1年やったと思うわ。」
「ありがとうございます」
今日は病院から直接、用事のある先に向かったので、すぐにはこの言葉を咀嚼できなかった。
用事が済み、夜になって暗い、線路沿いの道を歩いた。時々、電車が自分を追い越していく。
えぇ1年やったなぁ。
その言葉が胸に響いて、なんだか泣けてきた。S先生の性格から考えると、そこまでストレートに褒め言葉(だよね?)を言うっていうのは、すごいことだったと思う。
えぇ1年やったなぁ。
その言葉こそが、私にとって、1年で一番嬉しい言葉。
今は暗い道を歩いていて、孤独な真っ暗闇にいると感じる。それでも、街灯はどこかで点っているし、電車や駅にはあふれんばかりの光がある。
夜は永遠に続くのではなく、やがて朝が来る。夜の間は「えぇ1年やったなぁ」という言葉で、手元・足元を照らしながら、これからは進むことができそうだ。
ありがとう、S先生。
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