外科のS先生のところへ行った。
「おはようございます」
「おはよう。なんか久しぶりやなぁ」
「そうですね。なんか久しぶりすぎます」
「乳房の症状はどうですか?」
「今は、だいぶ止まっていて、1か月前くらいから止まっています」
「そうか。良かった」
「あの、T先生が、腫瘍とか乳腺症のせいで乳汁が出るんであれば、外科にお任せするし、逆にプロラクチン値が上がっているならば、無排卵とか無月経につながってしまったりするんで、婦人科でカバサール出すしって」
「うん。わかりました」
「で、それをT先生から聞いた直後に、いきなり無排卵の基礎体温表を見せてしまって(笑)」
「ははははは(笑)」
「でも、その時点では、無月経とかになっていくかを見てからということで、すぐにはカバサールはもらっていないです」
「そうですか」
「それと、胃腸の症状のことなんですけど」
「はい」
「あの、退院してから、食欲が減ったんですよ」
「はい」
「で、そのうち治るやろと思っていたら、夕方になると、冷や汗がいっぱい出たり、脳貧血みたいになったり、手がしびれたり……」
「ほぉ」
「で、飴とかなめたら治まってたんです」
「はい」
「そのうち、昼ごはんの前とかにも、しんどくなって」
「……それは、なんか違うな?」
「そうなんです。それで、皮膚とか診てもらってる先生が、昼前にもうしんどくなるというのは、単なる低血糖ということは考えづらいっておっしゃったんです。あと、ぼーっとして歩いてるからか、壁とかに突っ込んだりして」
「……まずな、今日、血液検査しよっか。低血糖の症状が出るなら、もうそろそろ出る時間ちゃう?」
「そうですね。実は、病院に来る途中に気持ち悪くなって」
「よし。ではまず、血糖値とか貧血含めて調べます。至急でオーダーを飛ばすので、結果出るまで40分ほど待ってもらえる?」
「あ、そんなすぐに、結果出るんですか?」
「うん。じゃあ採血行って」
「はーい! あ、今日ノートになんか書いて」
「うん、検査の後で書く」
採血の部屋へ。
この後、思ったより早く診察室へ呼ばれる。
「やっぱり、血糖値は十分あるね」
「そうですか。良かった」
「いや、良くない」
「え、なんで?」
「原因が分かれへんかったら、対処のしようがないやん」
「あ、あのストレスは溜まってます」
「……とりあえず、それはおいておいて、脳外科で診てもらったことある?」
「いえ、あ、あの5月の下旬に、脳のMRIは撮ってもらいました」
「あ、そうなんや。って、それはなんで?」
「ハント症候群で、耳鼻科の先生が念のため撮ってもらうようにって」
「あぁああ、なるほど。じゃあさ、メニエール病が再発してるってことはない?」
「……そうなんかな?」
「むしろ、そうであることを祈ってしまうわ」
「メニエール病やったら、まぁそれはそれで、安心ですよね」
ノートを出す。
「何か書いて」
「うん、書くよ。っていうかな、この前、T先生と会ったんやわ」
「そうなんですか? 愛、語れました?」
「いや、前の病院の玄関で偶然会っただけやから」
「愛は人前で語るものではない?」
「うん。いや、人がいなくても、語らんけどな」
「じゃあ、早く愛を語る日が来るといいですね」
「うん、T先生からも早くセッティングしろって言われた(笑)」
「で、ここにきて、P先生が登場してるなぁ」
「そうなんですよ。あの、P先生のところへ行く前、頻脈とか動悸とかが、精神的な理由で出ているんじゃないかと思っていたんですよ。T先生がP先生を紹介してくださったんですけど、『検査をしてもらって、異常がなければよし。異常がある場合には、この病院で手術はできないので、それこそS先生のいる病院とか、隣の市にある市民病院とか行くことになるやろ』というお話だったんですよ」
「そやな。それしかないな」
「『手術か、何もしないか』みたいな二択しか言われてなかったんで、P先生に詳しい話をしてなかったんですよ」
「うん」
「で、実際には投薬を続けていただくことになったんで、『頻脈になりやすい事情がある』というのを、一度はお話しておかないとって思ってて、この前お話しすることができたんですよ」
「で、内服をしてどうなん? コントロールできてるの?」
「はい。お薬を飲んで、数時間とか経ったときに、自分の周りがすごい静かな感じがして、ホントに楽になったんですよ。いつも、落ち着かない気持ち、焦るような気持ちだったのが、すっごい落ち着いたんですよ」
「ほぉお。そっか。良かったな」
「はい!」
「じゃあ、P先生にこれ!」
「ふゆうにも書いて!」
「さて、次回は8週間後に入れとくんで」
「はい」
「なんか、解決してたらえぇなぁと思ってます」
「ありがとうございます」
「1つでも、楽になってくれたらえぇんやけど」
「ありがとうございます。早くT先生との、愛の飲み会を」
「ははははは(笑)」
お薬をいただいて帰宅する。ありがとうございました。ぺこり。
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