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普通の日はないんですか!?

「大きな波に流されるのでも、逆らうのでもなく、波に乗って進みなさい」と、教えてくれたのはあなたでしたね。

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部長回診の直前

病院の朝ごはんは7時30分ごろだった。

火曜日の朝、同室の患者さんのもとに、担当の先生が来られて、
「今日は部長回診があります。緊張していただかなくていいんですけど、急に大勢で訪ねてきたら驚かれる方もいるんで、お知らせしておきますね」
と話された。

それまで、朝ごはんを食べていた自分は、急に喉が詰まった。

私は、12年以上前、内リンパ嚢開放術を受けて入院していた、そのうち最後の部長回診のとき、転換性障害でぶっ倒れたことがある。
K先生を慌てさせ、心配をかけたことはもちろんだし、同室の患者さんが、
「部長先生が『びっくりしたぁあ』って言うてはったで」
って教えてくれて、本当に申し訳ないことをしたと思った。

それから10年ほど経ったとき、つまり今回の入院より2年ほど前、
「表情とか、雰囲気とか、ずいぶん変わりましたよね?」
って、K先生は言ってくれはった。

「10年も経てば(笑)」
「いや、時間の問題ではなくて、ものすごい変わってるよね」

でも、この日、朝ごはんが食べられなくなった自分の根本的な部分は、実はあまり変わっていないのではないかと思った。

食器を配膳車に戻した頃、Z先生が来てくれはった。

「今日は、回診がありますんでね」
「はい」

放送大学のテキストを閉じて、正座したとき、部長先生が入って来られた。

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クリスマスカード

退院前日の夕方、M先生に会った。その日は、長い手術が行われ、先生方はみんなお疲れの様子だったし、M先生も
「これから会議や~」
って言ってはった。

M先生に言った。
「明日、退院します」
「ほぉ! 明日から俺、学会や」
「じゃあ、これでさようなら、ですね」
「外来は、来るやろ?」
「うん!」

そのとき、M先生が
「ほら、ちゃんと使ってるで」
って見せてくれたものがある。

すっごい嬉しかった。すっごい!!

昔、同じようなことがあったのを思い出した。

それは、私が介護後の燃え尽き症候群と、メニエール病の再発により、「私は誰の役にも立たないし、K先生に手術してもらったのに、成果を台無しにした。もう消えたほうがいい……」と思い詰めていたときのこと。
M先生の外来に行ったら、私が差し上げたクリスマスカードを、机に飾っていてくれた。

「ほら、ここに飾ってるで」
って言ってくれた。

「あぁ、私のしたことを、喜んでくれる人がいるのだ」

些細なことかもしれないが、久しぶりにそう思えたのが、嬉しかったのだ。

思えば、M先生はいつも、
「手紙、読んだよ」
「仕事はどうなん? また見せて」
って言ってくれた。

この日、
「ちゃんと使ってるで」
って言ってくれたことで、改めて感謝の気持ちがわいてきた。

M先生、ありがとう。
いつも、憎たらしいことばかり言って、ごめんなさい。

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退院から3カ月

当初は「入退院のときの記録をあえて書こう」という意識はなかった。

耳鼻科のK先生は、
「普段、隠している部位の写真を、わざわざホームページなんかで見せると、ふゆうさんの意図はどうであれ、変な受け取り方をされるリスクのほうが大きい」
とおっしゃっていて、私もそう思っていた。

それに、乳房の手術を受けた人は、内リンパ嚢開放術を受けた人にくらべてたくさんいるだろうから、私が書かなくても「情報がない」と困る人は、まぁいないだろう。

それでも、今こうして書いているのは、「書くのが楽しいから」という理由だけだ。
麻酔から覚めてZ先生を探した時の気持ちや、術後すぐにM先生と会えた時のこと、部長回診の朝にS先生とM先生と私、11年ぶりに三人一緒に会えたこと。もちろんZ先生も一緒だったけれど。

そういう部分が、自分の中にキラキラ輝く思い出として残っていて、それを文章にすることが楽しくてたまらない。
だから、医療情報としての価値はあまりないと思うけれど、ただ「楽しかった」ということを書いておくことにした。

退院後3カ月も経って、なぜそういう気持ちになったのか。
私にはわからなくても、神様にはちゃんとわかっている。
いつか「あのとき、書いておいてよかった」と思えるときが来るんだろう。
耳の手術の記録が、そう思わせてくれたように。

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「目が点になったわ」

入院の1か月前、初めてZ先生の診察を受けた。

S先生から、
「医局でちゃんと話しとくから。ふゆうがZ先生のところへ行ったときには『聞いてます』って、言ってもらえるようにしとくから」
って言ってもらっていた。

だから、Z先生が、
「S先生から聞いてます」
っておっしゃったとき、S先生と同じ言葉やなって思って、少し笑えた。

でも、Z先生は後に
「目が点になったわ」
って言ってはったと、S先生から聞いた。

直接の理由は、
「M先生っていらっしゃいますよね?」
「はい」
「私、M先生がめちゃくちゃ好きなんです」
っていう私の告白だったそうだ。

でも実は、他にも色々と怪しい発言をしている。

「乳汁や血液が出るというのは、どの位前からですか?」
「写真あります」
汚れまくったTシャツの写真を何年も保存し続けている自分は、怪しかったかもしれない。

「僕が今日、確認したかったのは『どの乳管から血が出ているのかが、わかるか?』という点だったんですよ。それで、さっきの診察では、残念ながらわからないですね。今は、乳汁は止まっていますよね?」
「あの、実はこの間までステロイドを飲んでいて、それで乳汁が出にくくて」
「ステロイド? なんで?」
「顔面神経麻痺(ハント症候群)だったんで」
「ほぉ!」

「さて、乳管から管を入れて腫瘍をとるという方法が使えないんで、全身麻酔になりますが」
「はい。全身麻酔、12年ぶりです」
「え? なんか受けたことが?」
「あの、耳の後ろの骨を電気ドリルで削って、内リンパ嚢を破ってもらう手術を」
そんな生々しい言い方をしなくても、普通に『内リンパ嚢開放術』でよいと思うが。。。。

「では、入院の日程を決めますが、お仕事の都合は?」
「フリーライターなので、時間の融通はききます」
「え? フリーライター!? だから、時間の融通はきき……」
「あの、名刺を……」
別に、ここで名刺を出して、身分を証明しなくてもよかったのだと思うが。。。

そしてM先生の話。
「私、M先生がめちゃくちゃ好きなんです」
「はっはっはっはっはっ(笑)」
Σ( ̄□ ̄)!!
「え、どういうこと(笑)?」
「M先生は、私にはけっこう冷めてはるんですけど、私はあの大きさが好きで好きで」
「……」

きっとZ先生は、
「なぜ、M先生を知っているのか? しかも唐突に愛の告白をするのか?」
ということを聞きたかったのだ。

こういうずれた返答が積み重なって、Z先生は「目が点になった」のだと改めて思う。

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笑いの効果と副作用

神様は、その時必要な環境・人・ものなどを、さりげなく与えてくださることがある。

私は入院する3日ほど前に
『私のホストちゃん~しちにんのホスト~』
という番組があったことを知った。
Youtubeで適当に動画を再生したら、たまたまその番組だったのだ。

パソコンのディスプレイに向かうとき、テレビなどをかけると、画面にいちいち目をやらなければならないので非常にしんどい。しかし、Youtubeは同じディスプレイ上で再生できるので、疲れないのだ。

入院に備えて仕事の調整を行いながら動画を見始めた。
これが、おもろくておもろくて、笑いすぎて涙が出てきた。

調べると、放送された内容の全編がテレ朝動画やYoutube上の公式チャンネルで見られることがわかった。

入院中に、これを観ていたらいいかなと思ったのだけど、いっぽうでおもろすぎて、病院という場にふさわしくないほど、笑ってしまうことは確実だった。笑い声を殺しながら視聴すれば、ストレスがたまるだろう。

笑いの副作用を防ぐために、入院前にできるだけ見ておくことにした。
入院前のささくれ立った気持ち、不安などを、この番組で笑い飛ばすことができて、本当に良かった。

『私のホストちゃん~しちにんのホスト~』
の他にも、
『ガールズトーク~十人のシスターたち~』
『甘王の共感スクール』
などが、同枠で放送されていて、ネット配信は現在も行われている。

現在は
『ガールズトーク 薔薇組』
が放送中だ。

これらの番組のおかげで、笑いの効果と副作用の両方を、体験することができたと思う。

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