連休中にも、傷口の回診は行われるし、看護師さんによる検温・血圧の測定などもある。
術後4日目には採血が行われる。
「世間は連休なのに、大変ですね」
「えぇ、でも、平日にお休みいただけたりもするんでね」
看護師さんは、いつも優しい。
傷口の回診の時間。回診の先生は、病室に入る前にエプロンをつけながら、
「この患者さん、手術の翌日に診たの、おぼえてるわ」
と言わはった。
傷のキレイさと私の名前、両方のインパクトが「おぼえてる」の理由だろう。
私は入院・手術のことを、ほとんど誰にも言わなかった。
私は仕事や、そのほかの活動(耳のホームページも含めて)でも、自分を取り巻く環境が変わってきたことに、気付いていた。その変化についていこうか・いくまいかと悩み、結局は眼前のことへの対処ばかりを繰り返して、大きな視野を持てなくなっていることも、ちゃんとわかっていた。
一度、静かに考えたい。
また、放送大学の授業も視聴が遅れがちだったので、遅れを取り戻さなければいけなかった。
入院して、自分だけの時間を持つことが、私はとても必要だった。
だから、誰にも言わず静かに過ごすことを選んだのだ。
でも、連休には、お見舞いの人の数も多く、病室はとても賑やかで、傍で見ているだけの私も楽しい気持ちになった。
その賑やかさがなかったら、私は孤独の迷路にはまりすぎ、極端すぎる結論を出してしまったかもしれない。
神様は、私に必要な環境を、ちゃんと用意してくれていたのだと思う。
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