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普通の日はないんですか!?

「大きな波に流されるのでも、逆らうのでもなく、波に乗って進みなさい」と、教えてくれたのはあなたでしたね。

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必要な環境

連休中にも、傷口の回診は行われるし、看護師さんによる検温・血圧の測定などもある。
術後4日目には採血が行われる。

「世間は連休なのに、大変ですね」
「えぇ、でも、平日にお休みいただけたりもするんでね」
看護師さんは、いつも優しい。

傷口の回診の時間。回診の先生は、病室に入る前にエプロンをつけながら、
「この患者さん、手術の翌日に診たの、おぼえてるわ」
と言わはった。
傷のキレイさと私の名前、両方のインパクトが「おぼえてる」の理由だろう。

私は入院・手術のことを、ほとんど誰にも言わなかった。
私は仕事や、そのほかの活動(耳のホームページも含めて)でも、自分を取り巻く環境が変わってきたことに、気付いていた。その変化についていこうか・いくまいかと悩み、結局は眼前のことへの対処ばかりを繰り返して、大きな視野を持てなくなっていることも、ちゃんとわかっていた。

一度、静かに考えたい。

また、放送大学の授業も視聴が遅れがちだったので、遅れを取り戻さなければいけなかった。

入院して、自分だけの時間を持つことが、私はとても必要だった。
だから、誰にも言わず静かに過ごすことを選んだのだ。

でも、連休には、お見舞いの人の数も多く、病室はとても賑やかで、傍で見ているだけの私も楽しい気持ちになった。
その賑やかさがなかったら、私は孤独の迷路にはまりすぎ、極端すぎる結論を出してしまったかもしれない。

神様は、私に必要な環境を、ちゃんと用意してくれていたのだと思う。

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ノート

成人喘息になったとき、100均で1冊のノートを買った。
「喘息手帳」として使おうと思ったのだ。

それまでも、痛み止めや吐き気止めを重ねて飲んでしまわないように、服用の時刻をメモするようにしてはいたが、1日が終わったらメモは捨てていた。
やがて、「咳の記録はノートに、服薬の記録はメモ用紙に、検査の結果はファイルに、基礎体温は基礎体温表に」と分けるメリットはないように思え、ノートと基礎体温表に情報をまとめることにした。

現在は11冊目のノートを使っている。

もう、5年ほど前になるだろうか、S先生に会ったとき、
「M先生へのメッセージを書いて」
とお願いしたのが、このノートを直接、先生とのコミュニケーションに使うようになったきっかけだったと思う。

あのとき、S先生は、
「忍」
って文字を書きながら、
「これは、Mだけじゃなくて、ふゆうにも言いたいことや」
と言ってくれはった。

また別の時に、S先生にお願いした。
「T先生へのメッセージを書いて」
「どんな先生なん? 会ったこともないから、何書いたらいいか……。イメージだけでも教えて」
「うーんとね、□□先生を優しくしたような……」
「□□さん、怖いんか(笑)?」

「T先生、一度お会いしたいです。(後略)」

(後略)の部分、S先生は、
「軽い人間やと思われたかなぁ?」
と言ってはったし、T先生は、
「えっ……えっ、何なんこの先生は!?」
って爆笑していはった。

そして後に、
「『一度お会い』どころか、一緒に働くことになるとはなぁ(笑)」
と、二人とも笑ってはった。

このたび入院する前に、T先生に
「M先生へメッセージを書いて」
ってお願いした。

先に書いた(後略)の部分に負けないほど激しいメッセージだったので、預かってくださった看護師さんは、驚いたかもしれない。

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イケメン

術後3日目は、土曜日だった。
M先生が出勤されていて、ずいぶん疲れている様子だった。

私が、エレベーターの前あたりで本を読んでいたら、M先生が声をかけてくれた。

「いつまで居てるん?」
「あ、はよ帰って欲しいんや(笑)?」
「いや、暇やろなぁと思って」
「勉強してるから、大丈夫やねん」
「そうか。頑張ってな」

「あ、新しいイケメン見つけた!」
「どこで見つけてくんねん(呆)」

ガラケーの待ち受け画面を見せる。

「……ホストみたい」
「これ、ホストの役をしてるときの写真やねん」
「役?」
「俳優さんやねん」
「まぁ、イケメン好きで幸せなら、それでもえぇけどな(笑)」
「うん、幸せ!」

「そうや。火曜日って、まだ居てるか?」
「火曜日?」
「うん。S先生が帰ってくるの、火曜日やねん。聞いてない?」
「S先生からは、それ聞いたんですよ。まだZ先生から、いつ退院とは言われてないけど、もともと手術後1週間やから、部長回診の日に会えるかなっては、言われてた」
「そうか」

「先生、休めないの?」
「うん、ちょっとな。重症の患者さんおるからな」
「目の下、真っ黒になってるし、大丈夫なん?」
「大丈夫、大丈夫。これはもとの色や(笑)」

「今も、S先生と愛し合ってるやろ?」
「……ふっ……ふっ……まぁ、ゆっくり休んでいき」

M先生は、連休もろくに休めず、本当に大変やったと思う。
私にとってM先生は最高のイケメンだ。

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キレイすぎて

手術した翌日、傷口の様子を診に、回診担当の先生が来てくれはった。

「キレイですね。シャワーとかは、もう行かれてます?」
「え?」
「手術から、もう日数経ってるなら、いけるんちゃうかな? 手術いつでした?」
「昨日です」
「ははははははは(笑)」

Σ( ̄□ ̄)!!

「え?」
「昨日、ですか? それやったらちょっと無理ですね。いや、あんまりキレイやから、もう何日も経ってるんかと思った。ははははは(笑)」
「あの、Z先生が『傍乳輪切開でいけそうやな』って、手術前のエコーの時、言ってくれはりました」
「うん。すごいキレイですわ。キレイすぎて勘狂うわ(笑)」

この回診は、術後4日目まで続いた。

気付いたのだが、回診の先生は10時半から11時ごろに回って来られる。
でも、私の手術の日、Z先生は9時ごろに回診をされていた。多分、私の手術が11時に予定されていたから、Z先生はいつもと違うパターンで動かざるを得なかったのだろう。

申し訳なかった。ごめんなさい。

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落ち着き

私の手術は11時からの予定だったが、事前に看護師さんが、
「前の手術が長引く可能性が高いので、午後にずれ込むかもしれない」
と知らせてくれた。

ベッドで点滴を入れてもらい、手術室へは点滴スタンドを押していくことになる。

20ゲージの針がなかなか入らず、悪戦苦闘する看護師さんに、
「私の血管が細いから、ごめんなさい」
って謝っていたら、Z先生が来てくださって、
「20ゲージ。長っ!」
って言いはったのが、なんか面白かった。

手術室へ看護師さんが連れて行ってくれはった。
若々しくて、色が白くて、素敵な方だなぁと思っていた。

「手術前ですけど、緊張はないですか?」
「あぁ、ないですね」
「落ち着いてはりますね」
「手術の経験、12年前ですけどあるんです」
「そうなんですか?」
「12年前は、病室で筋肉注射を打ってもらって、ベッドごと手術室へ移動して、手術後の安静期間も長くてって感じでしたけど、時代が変わってますよね」
「どこを手術されたんですか?」
「耳です。メニエール病で」
「そうなんですか」
「あと、祖母が二人とも人工肛門で」
「へぇえ」
「で、S先生やM先生に色々聞いていただいてたんですよ」

こんな話をがちゃがちゃ聞かされても落ち着いている看護師さん、さすがやなぁと思っていた。

後に、この看護師さんが夜勤をされていたとき、
「大変ですね。眠くないんですか?」
って聞いたら、
「3カ月たって、ちょっと慣れて来ました」
て言わはったから、めちゃ驚いた。

「え? 3カ月って」
「私は、看護師になって3カ月です」
「ぐわぁ。めっちゃ落ち着いてはるから、ある程度、経験があられるのかと」
「あまり、こちらが慌てていると、患者さんに伝わりますから」

いや、もう、すごい、なぁ。うん。すごいよ、そのプロ意識。

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