循環器のP先生のところへ行った。
P先生からは次の説明があった。
●レントゲンは問題なし
●血液検査ではごく軽い貧血の値くらいしか出ていない
●心エコーでは、弁のズレがあるけれど、今は気にするようなものではない
「で、ホルター心電図ですが」
「はい」
「日中の脈は、速いんですよ」
「そうですか」
「いつも、何時頃に寝られてます?」
「1時か2時には」
P先生はそのページを開けてくれた。
「これ、見てください。寝てる時は遅いんですよ」
「あ、ホントですね」
「で」
「はい」
「頻脈を抑えるお薬があります」
「はい」
「飲んでみますか?」
「えーっと……」
「おいくつでしたっけ?」
「36歳です」
「え? 36歳?」
「はい」
「……お子さんを作る予定は?」
「ないですね」
「ない。お子さんを作る予定があるなら、お薬はできたら飲まないほうがいいけど、しんどいんだったら、飲んでみてもいいかと」
「あの」
「はい」
「乳房に何かトラブルがあるらしくて、6月のはじめに今後のことを決めることになってます」
「ほぉ!」
「そのときに、『不整脈のお薬を飲んでいるから、選択肢が狭まる』というようなことは、ありますか?」
「いえ、それは大丈夫です」
「なら、飲みます」
「よし! では、テノーミンというお薬を出します。朝、1回飲んでもらいます」
「はい」
「お仕事は、されてましたか?」
「フリーライターをしております」
「フリーライター!?」
「え?」
「フリーライター」
「はい。あ、名刺を……。売り込んでどうするんでしょう、私(笑)」
「僕に売り込んでも、お金にならへんで(笑)」
P先生は名刺を見てくださる。
「金融系……の話題……これ、医療関係の資格、なんであるんですか?」
「そ、それには、事情が……」
「血圧ですけど、ちょっと高いめですね」
「こちらで計ると、高い値が出てしまうんですが、なぜでしょう? むしろ低かったんですけど」
「なんでこういう値になるのかなぁ? 常にこういう値になってしまってるのか、緊張するのか……」
「先生に惚れてしまって緊張……」
「それはない(笑)!」
「さて、3週間分出しますが」
「はい」
「もしも、気持ち悪い・合わないとなった場合は、やめてくれていいから」
「はい」
「その場合は、3週間後にそのように言ってくれたらいいから」
「はい」
ありがとうございました。
頂いたお薬を、さっそく飲んでみた。
しばらくは、何が変わっているのかわからなかった。
でも、時間が経つにつれて、先日までうるさくてたまらなかった耳鳴り(脈拍の音)が、すっごいゆっくり、静かなものに変わってことに気付いた。脈拍は、1分に70くらいしか打っていない。
そして、息をするのがとても楽になった。
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