9年前のちょうど今頃、耳の手術を受けた後、初めて「歩行器をもう使わなくて良い」というお許しをいただいた。
一人で歩くことに、恐怖と不安を抱いたのは本当だった。足腰の筋肉が弱り、足首がぐらぐらとゆれて、地面から浮いているような感覚があったことを、今もおぼえている。
それでも、一人で歩けることが嬉しかった。こんなにも嬉しかった。
初めは荷物で両手がふさがっていると(食器を返すときなど)、怖かったけれど、段々自分の足の感覚が信じられるようになっていった。
あれから9年が経つ。9年前と今と、体重は変わらないが、筋肉量が増えて体脂肪率が減った(23%から18%に)。
9年前、もっと筋肉というものに関心があって、体を鍛えるという発想があったならば、メニエール病の症状がもう少し、軽く感じられたのではないかと、今さらながら思う。
しかし一方で、一人で歩けることが、こんなに嬉しかった、という思いがなければ、筋肉への関心も持てなかっただろうと思う。
嬉しいという思いを大切に、一歩、また一歩、重ねていけばよい。
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