メニエール病は、疲労やストレスが誘因となって、症状が表れるということがあります。メニエール病の最大の治療は「生活習慣の改善」であると言われているくらいです。内服、点滴、内リンパ嚢開放術も、根治療法ではありません。
このときの私の生活を振り返ってみると、睡眠時間は4時間程度と短く、いったん病院へ行くと6時間近くも祖母につき合わされ、家事もして、そして仕事も・・・、という生活でした。
今となってみれば祖母の気持ちもわかる気がするのです。
孫の私が介護をしているということは、祖母は「実子の介護を受けていない」ということです。一生懸命育てた我が子に、仕事などの事情があるにせよ「介護はしない」と言われた祖母の気持ちは、どういうものであったでしょうか?
あんなに一生懸命育てたのに・・・、という苛立ちを孫に転嫁していたとしても、仕方のないことなのかもしれないと、思うのです。
さて、私の体にも疲労が蓄積し、体が悲鳴を上げるようになってきました。
8月8日(看護師さんに「困っている」と打ち明けた翌日)、手指にヘルペスができてしまいました。ヘルペスの経験がある方はお分かりになると思うのですが、手指の皮膚が「どろり」と溶けてしまったかのような、気味の悪い状態になります。
2008年8月9日に月経が始まったのですが、無排卵性月経であったようです。無排卵性月経は、いつまでも出血が止まらずだらだらと続く、という特徴があります。
このとき、婦人科の主治医T先生は大変驚いて、ノアルテン-Dを処方してくださいました。T先生が「ノアルテン-Dを使って、出血を止めたほうが、おばあちゃんのところへも、行きやすいやろ」とおっしゃったことを憶えています。
ところで、この日、私はひどい吐き気に見舞われて、まともに話すこともできない状態で、T先生のもとを訪ねたのです。祖母の入院先から婦人科のある公立病院へ行くには、バスを利用するのが、一番便利なのですが、バス待ち中にひどい吐き気に襲われています。
「どうした、吐き気が強いようやけれど?」
「バス停の位置が変わってたんですよ。工事中のためかカーブの真ん中くらいにあって。車が突っ込んでくるような感じがして、パニック障害になったの」
「あんまりしんどそうやから、プリンペラン打とうか。安定剤はうちでは出せないけど、プリンペランで吐き気を止めてあげたら楽になるやろ」
この会話に、そこまで重要な意味があるとは思いませんでした。後から思えばこれが、メニエール病再発のサインだったのです。
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