昨年の暮れ、文楽を見に行くことになり、その楽しみ方などを教えてくださった藤十郎先生という方がいます。
そのときのことは↓
素敵な出会いに感謝
http://www.mypress.jp/v2_writers/fuyuu_no_mimi/story/?story_id=1946510藤十郎先生が、大相撲の八百長問題に関して面白いご意見をおっしゃっているので、ご紹介します。
「文楽と聴覚障害に生きる」より 「あまのじゃくなので」
http://tohjurou.blog55.fc2.com/blog-entry-1881.html【引用始まり】 ---
がらがらの府立体育館。時として罵声も飛ぶテレビ中継はない。
そんな春場所でもいいから、相撲が好きで仕方がない人のために実施したってかまわないのではないか。
【引用終わり】 ---
想像するに、これほど厳しいことはありませんよね。
たとえば絵画・工芸品などは、誰かの目に触れるために生み出されますよね。絵画や工芸品にとって、あるいはその作者にとって、めちゃくちゃつらいのは「作った瞬間に叩き潰され、誰の目にも触れることなく、捨てられる」ということじゃないでしょうか?
誰にも見てもらえない大相撲。想像するだけで心が凍りつきそうですね。
大相撲は、「見せるためだけ」にやってるわけじゃないけれど、ファンの視線や歓声に支えられているのは事実です。テレビでも、幕下の対戦のときは、席がガラガラですよ。「関心がない」って言われているのと同じです。
位が上がるにつれて、大勢の観客の前で対戦できるようになっていく。これが何よりの喜びですよね。
私は大相撲春場所を見に行ったことはないんですが、難波とかで力士の皆さんが歩いているだけで「うぉお、そんな時期だなぁ」「頑張ってくださいね!!」って思います。それが今年は無いわけですよね。大阪の人は厳しいから、もしも力士が難波を歩いていたら、野次や罵声なんかも浴びせられてしまうかもしれないですよね。
この問題が長引くことで、力士たちの生活が厳しくなれば、また悪いことをせざるを得なくなってしまう。そのままですと、相撲業界が加速度的に悪い方向へ進んでしまうんじゃないでしょうか。だからこそ、早めに何らかの対策が見つかるといいんですが。。。
かつて「高等学校必履修科目未履修問題」というものがありました。
Wikipedia 高等学校必履修科目未履修問題
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AB%98%E7%AD%89%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E5%BF%85%E5%B1%A5%E4%BF%AE%E7%A7%91%E7%9B%AE%E6%9C%AA%E5%B1%A5%E4%BF%AE%E5%95%8F%E9%A1%8Cこのとき「受験間際の大事な時に、補習授業を受けなければならない生徒たちは大変だ、気の毒だ」という考えを私は持ちました。ただ「本当の犠牲者は、規定通り授業を履修して、受験生としては不利な闘いを強いられ、結果的に不合格になった人ではないのか?」と指摘された方がいました。確かにそういう面はあります。
大相撲の八百長問題に関しても、一番の犠牲者は「八百長などせずに戦い、結果として実力はありながら昇進できないでいる力士」がいるとしたら、その人だと思います。
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