精神科の先生のところへ行った。
「おばあさんのことは、大変でしたね。半年の間に続けて、ということもあって、だんだんと寂しくなりますね」
「本当に、色々とお世話になりまして、ありがとうございました」
「体調はどうでしたか?」
「祖母の亡くなったこと以外では、徐々に体調もよくなってきていました」
「そうですか」
「通夜、葬儀のときには、耳の調子が悪くて、斎場で転びかけたりしました。和装で紐で締め付けてるし・・・」
「・・・ふゆうさんは、孫ですよね?」
「はい」
「地域性とか、親戚間のしきたりとか、あると思いますが、孫の場合は和装をするものですか?」
「・・・高校生、中学生だったら、制服着ますよね。20歳くらいだったら、洋装かなぁ・・・?」
「着付けとかあって、大変でしょう」
「まぁ、そうですね」
「だんだんとこれからは、和装は減っていくかもしれませんね・・・」
「それは、そうですね。減っていきますね。結婚するときに持っていかない、あるいは反物の状態で持っていく、という人もいるみたいですよね」
正直な気持ちとして、和装で葬儀に出なければいけない、という機会が、しばらく来なければいいと思う。それは「遺族」として葬儀に出ることだからだ。もう、しばらくは近親者が亡くなってほしくない。
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