子どもの頃、私にも得意なことの1つ、2つくらいはあった。
それを「自分の長所」として、素直に認める気持ちもあったと思う。
でも、
「それができない(そのレベルに達していない)弟の機嫌が悪くなるから」
という理由で、得意なことをアピールすると、窘められたり叱られたりすることが重なるうちに、そもそも「これが得意だ」と思うことがいけないのだと、思い込むようになった。
弟とは年齢が違うので、同時に同レベルに到達しないことは当然だし、親や祖父母にしたら、弟の「一度拗ねると問題が長びく性格」を知った上での対応を選んでいたのだろう。
だけども、頑張って頑張って「やったぞ!」という気持ちの後に、
「だから、何?」
「そんなことを自慢するのはやめなさい」
と怒られる自分の姿が浮かんできて、風船みたいに膨らんだ楽しい心が、一気にしぼんでいく感じがした。
それでも頑張りたい衝動からは逃れられず、自由になれた今になって、色々なことに挑戦しているのだろうなと思う。
[0回]