精神科のN先生のところへ行った。
「おはようございます」
「おはようございます」
手紙を渡す。
「引っ越し、お疲れ様でした」
「おかげさまで、荷物が少なかったので。家具はそのまま使えるので、楽でした」
「疲れは出ませんでしたか?」
「あの、こういう時期というのもあって、アトピーはひどくなったのですが」
「そうですか。H先生のところは、どうされるんですか? 引き続き通う?」
「はい」
「……ここまでは、どうやって来たの?」
「歩いて」
「……え、歩いてきたの?」
「はい」
「どのくらい、かかりますか?」
「25分。途中の市役所までが15分くらい」
「……H先生とこへは、それから電車でしょう?」
「はい。今日、この後、行きます」
「そうですか。よろしくお伝えください」
「荷物は片付いたんですか?」
「あの、事情で前の住民の荷物が残っていることと、それと私が」
「はい」
「今まで、出張もけっこうあって『手の届く範囲に何でもある』っていう状態だったんですよ」
「はい」
「新しい家に荷物を入れても、まだ空きスペースがいっぱいで『私って空っぽな人間だわ』とか思ってしまって」
「ははははは(笑)。それはこれから考えていけばいいんですよ」
「ありがとうございます」
「で、迷走神経反射とありますが、具体的にどういう症状が出ますか?」
「初めは痛みでちょっと汗をかくなぁと思っているんですが、急に汗がたくさん噴き出してきて、目の前が暗くなって、あと、吐気がします」
「そうですか」
「あの、そういう時、デパスを飲んではいけないとかありますか?」
「いえ、むしろ気持ちを紛らわせて、症状を和らげてくれるかもしれませんね」
「そうですか。あの、不安感というのはあまりないんですけど、もし飲まないほうがいいとかだったらいけないから」
「大丈夫ですよ。ただ、すぐ飲めるかというと難しいでしょう?」
「はい。先日もスーパーで買い物をしていて、『あ、今から痛くなるから、買い物をさっさと終わって、痛み止めを飲んでおこう』と思ったのですが、間に合わなくて。ボルタレンサポを使っておけば良かったんですが」
「そうですね。これは、うまく痛みを緩和して、楽に過ごせるようにするしかないですね」
「はい、頑張ります!」
今日はリスミー、ハルシオン、デパスをいただいて帰宅することに。
受付の人と話す。
「1人で住んでんの?」
「うん」
「ここまで、どうやって来たん?」
「歩いて。25分」
「え? 歩いてきたん?」
「はい」
「よぉやるわ」
「バスは結構あって、I病院とかは地元のバス停から行こうと思ってるねん」
「まぁ、気をつけてな? 道とか暗いやろ?」
「はい」
ありがとうございました。
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